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週刊・上杉隆

菅首相“豹変”の陰に「ある人物」の存在

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第183回】 2011年7月15日
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 13日の記者会見で、菅首相は明確に脱原発へ舵を切った。これによって、国策として進められてきた原子力政策は転換を迫られることになる。

 いや、ことはそう単純ではないだろう。

 自民、民主の族議員、また「族」でなくとも、電事連や電力総連などに選挙で世話になっている多くの国会議員、あるいはまた原子力に依存している産業界、そしてなんと言っても原子力政策推進の旗振り役であるマスコミなどのアンシャンレジーム(旧体制)が、自らの利権構造をつぶそうとするこのひとりの首相を放ってはおかないはずだ。

アンシャンレジームの
トラの尾を踏んだ菅首相

 日本は、現在、全電力量の29%を占める原子力発電を、20年後の2030年には53%にという国策を掲げている。菅首相が記者会見で表明した「脱原発宣言」は、その政策にストップをかけるだけではなく、さらに逆行させようというものだ。それはアンシャンレジームにとって絶対に許しがたい行為であり、彼らのトラの尾を踏んだといっても言い過ぎではないだろう。

 その象徴ともいうべき原発推進新聞のひとつ日本経済新聞は、会見の翌日(7月14日)の朝刊で、菅批判の見出しを次々と打った。

〈場当たり政策で国は衰退〉(一面論説)
〈首相会見、具体策言及なし〉(一面トップ)
〈菅首相の「脱原発依存」発言は無責任だ〉(二面社説)
〈首相延命「8月後」にじます 退陣時期示さず〉(二面)
〈退陣表明後に新政策続々 歴代首相でも異例〉(二面)
〈「脱原発」難問ばかり〉(三面)
〈原発輸出にも逆風〉(三面)

 客観中立を標榜しているはずの日本の新聞だが、自分たち、もしくは最大のクライアント(電力会社)の利権が絡むと、こうも見苦しくなってしまうものなのだ。

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上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


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