【どんな会社?】
段ボール加工専業最大手メーカー、3事業が安定成長
缶詰用木箱のメーカーとして1949年に北海道で設立。高度経済成長期に入ると、森林破壊への懸念から木箱の利用を見直す動きが広がり、56年に段ボール箱の製造・販売を開始した。今や段ボール加工専業メーカーとしては国内トップクラスのシェアに。ちなみに「加工専業」とは、原紙から段ボールまでを作る製紙会社とは異なり、外部から原紙を調達して段ボールを加工するメーカーのことを指す。
現在では段ボール事業が売上高の50%以上を占めるが、トーモクはこのほか、住宅、運輸倉庫の2つの事業を展開している。
一般の人にもなじみ深いのは住宅事業だろう。高品質省エネ輸入木材住宅として知名度が高い「スウェーデンハウス」を販売。もともと木箱や住宅建材などを製造していた経験を生かし、84年に子会社を設立して事業をスタートさせた。
同じく子会社が担当する運輸倉庫事業は、トーモクの段ボールおよびトーモクが製造した段ボールを使って商品を全国に配送する飲料メーカーなどが顧客。商品の仕分け・箱詰め・保管・荷役などの倉庫業務と、トラックによる輸送業務を請け負っている。
【何がスゴイの?】
事業ごとに異なる売上のピークを平準化させていく
前述のとおり、トーモクの段ボール事業は「加工専業」であり、それが強みの源だ。
国内外のあらゆる製紙会社から原紙を調達できるので、コスト管理がしやすく、余分な原紙の在庫を抱えるリスクも小さい。
また同社は、デザイン性や機能性が高い多様な包装箱を提供している。通常の段ボール箱より高付加価値で利益率が高い包装箱の受注増は、段ボール事業の収益拡大に貢献している。
住宅事業の主力である「スウェーデンハウス」は、商品力とブランド力の高さが何よりの強みだ。高気密・高断熱で省エネ性能が高い〝北欧生まれ〟の木造住宅は、顧客満足度調査で12年連続1位となるなど人気がある。
2021年には高品質な建売住宅を中京地区で販売する「玉善」を子会社化。注文住宅を主力とする「スウェーデンハウス」との二枚看板で、商品ラインアップを充実させた。
運輸倉庫事業は、段ボール事業と顧客がほぼ重なっているため、シナジー効果(相乗効果)による成長が期待できる。
一方、段ボール事業と住宅事業には直接的な関係はないが、実は同社の財務面での強さにつながっている。両事業は売上のピーク時期が異なるので、収益を平準化できるのだ。
3つの事業に経営資源をバランスよく配分することで、持続的な安定成長が追求できることも同社の優位性だといえる。
【将来性は?】
米国とベトナムの段ボール事業に積極投資を計画
トーモクは、26年3月期の通期予想で、過去最高益更新を見込んでいる。2つの段ボール会社を連結子会社化し、生産能力が増強したことに加え、製品価格の引上げで利益率が拡大したことが成長の要因となっている。
段ボール事業を成長の〝メインエンジン〟と位置付け、今後も既存工場の増強やM&Aなどの積極投資を行う計画だ。特に注力するのが海外事業。米国西海岸とベトナムでも段ボール事業を展開しており、27年3月期からスタートする新中期経営計画では、両国でM&Aなどの投資を拡大させる考えだ。
住宅事業では、「スウェーデンハウス」の認知度をさらに高めるため、広告戦略を強化する。また、「玉善」のノウハウを生かし、「スウェーデンハウス」ブランドの建売住宅を拡販することも目指している。運輸倉庫事業では、飲料メーカー以外の顧客の獲得にも力を入れる。
今期は30円の増配を予定。株主還元も積極的に行っていく。
【トップインタビュー】
「包む」をコンセプトに成長を追求! その実りは累進配当で還元します

トーモクは、「包む」を軸として3つの事業を展開しています。大切なモノを〝包む〟段ボール、人々の暮らしを温かく〝包む〟住宅、〝包み込む〟ように丁寧にモノを運ぶ運輸倉庫。
どれも暮らしや社会、産業にとって欠かせない要素であり、それを支える製品やサービスを提供することが、当社の存在意義であると自負しています。言い換えると、その社会的意義の大きな製品やサービスを提供していることが、当社の安定成長の礎になっているのです。
今後も海外事業などに積極投資をする一方、成長で得られた利益は、配当性向30%を目安とする累進配当で株主の皆さまにしっかり還元してまいります。ぜひ注目してください。



