加計学園問題がまだ燻っている。13日には、国家戦略特区諮問会議の有識者委員が記者会見、「政策判断が歪められた事実はない」と、述べた。それについての報道は、事業認定はルールに基づいて適正に行われ、総理の要請は一切ないというものだと、簡単になされている。

 マスコミは、この問題の本質をつかんでいるとは思えない。マスコミの考え方をみるのに、ダイヤモンド・オンラインでの山田厚史氏の論考(2017.6.8「加計問題に匂う許認可利権、アベノミクスは国家社会主義か」を取り上げよう。

「総理の意向ありき」の報道
その前に、文科省は負けていた

 記事では、

『2015年6月には「獣医学部新設4条件」が閣議で決まった。』
『文部科学省は「4条件を踏まえ、獣医学部を新設する必要性は認められない』と主張していた。
『それがひっくり返ったのは、「総理のご意向」とされる』 と書かれている。

 そして『首相周辺の「政治主導」』で獣医学部の新設が決まり、加計学園に認可が下っ た、という流れは疑いようがない』という。

 筆者が、この論考の1週間前に書いた本コラム(2016.6.1「加計問題「前川発言」は規制緩和に抵抗して負けた文科省の遠吠えだ」)で指摘した「総理の意向ありき」のマスコミ報道の典型だと考える。