ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

江東区――地盤が弱い「埋め立ての街」に見る、直下型地震への脆さと意外な防災力

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第1回】 2011年7月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

災害は油断の隙間に忍び込む!
4つのポイントから読み解く「街の安全」

 3.11以降、私たちは当たり前と考えていた「普段」を改めて見つめ直すようになった。「わが街の安心・安全」は、なかでも最大級の関心事だ。

 災害は突然やって来るが、被害は油断の隙間に忍び込む。住む街、通う街の「強み」や「弱み」を知っていれば、いざというときの心構えは大きく変わってくる。地震、犯罪、火事、交通事故。これら現代社会の4大災難を中心に、この連載では、東京23区について、それぞれの「安心・安全の素顔」を解き明かしていくことにする。

 たとえば地震の被害予測は、いくつかの仮定の上に立った1つのシミュレーション結果に過ぎない。しかし、その背景の中に、あなたやあなたの家族を守る重要なカギが潜んでいるはずだ。

 今、安心・安全と言うと、福島原発事故に端を発する「放射能汚染」も大きなテーマとなる。しかしこの連載では、放射能汚染に触れることはあえて差し控えたい。放射性物質の拡散が気象条件に大きく左右されること、評価の線引きが難しいこと、データの蓄積が不十分であることなどが、その理由だ。

 東京都健康安全研究センターのホームページに、都内各地区の放射線量が公表されているので、気になる方は併せて参照していただきたい。

 なお、本連載に記す地震の被害予測は、東京湾北部の深さ30~50kmを震源とするマグニチュード7.3の首都直下地震が、冬の夕方、風速6m/秒の条件下で発生したとの想定に基づく、東京都のシミュレーション値である。また、犯罪、火災、交通事故の発生状況に関するデータは、特に断りがない限り、過去3ヵ年の平均値を用いている。


地盤が低く3分の2が満潮面以下
埋立地の上に築かれた街・江東区

 連載第1回は、ベイエリアの中心・江東区を取り上げよう。江東区の面積は39.9km2と、23区の中で6番目に大きい。ところが、1948年(昭和23年)の面積は22.5km2、1882年(明治15年)の面積は11.4km2に過ぎなかった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

「東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力」

⇒バックナンバー一覧