部下に背を向けて悩むシニア男性ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

「上司と安心して話せない、本音も話せない」――そう感じている若手サラリーマンは、実に81.6%にのぼる。かつて「一体感」が強みだった日本企業だが、いまや上司・同僚・経営層との間に静かな分断が広がっている。いま、私たちの職場で何が起きているのか、日本企業の病理に迫る。※本稿は、高橋克徳『静かに分断する職場 なぜ、社員の心が離れていくのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

上司はおろか同僚にも
「本音を話せない」状態

 ジェイフィール(編集部注/著者が代表取締役を務める、人と人との「つながり」を再生し、良い感情の連鎖を起こすことで、人と組織の変革を支援していくコンサルティング会社)が実施した「人・組織・コミュニティに関わるアンケート調査」の中で、身近な人たちとの関係性を聞いています(図2-2)。

図2-2:次の相手は安心して、本音を話せる相手ですか?同書より転載 拡大画像表示

 最初に検証したかったのは、同期や同世代、先輩、後輩、部下、上司、経営層、人事担当者などの中で、本音で話せると思っている相手がどのくらいいるのか、逆に壁を感じている相手は誰なのかということでした。

「安心して話せるし、本音も話せる」相手としては、同期・同世代が多かったものの、31.6%に過ぎないという結果になりました。