ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
チームの生産性をあげる。
【第12回】 2017年8月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
沢渡あまね

生産性の高い会議は、事前のインプットが8割

突然会議で「アイデアを出せ」と言われても、良い意見は出ない。優秀なファシリテーターがいても、参加者のプレゼン能力を鍛えても、そもそもインプットが足りなければ会議の質は決して向上しない。では、効率よく生産性の高い会議や打ち合わせを行うにはどうすればいいのか? ベストセラー『職場の問題地図』の人気業務改善士が、生産性向上のヒントを伝授。新刊『チームの生産性をあげる。』から一部を紹介。

インプットを与えているか?
成果を出すには事前のインプットが8割

 意見が出ない、アイデアが出ない打ち合わせの大きな原因の1つに、「参加者にインプットを与えていない」ことがあります。

 想像してみてください。あなたはいまこの瞬間、突然会議室に呼ばれて上司から「意見を出せ」と言われた。そんなことを突然言われても、良い意見なんて出せるわけがありません。表面的な答えでとりつくろうのが精一杯。

 あるいは、1時間の時間厳守で「アイデア出し」をするよう上司からいきなり命じられた。1時間で絶対終えろと言われても、事前に目的も議題も知らされず、突然呼びつけられてもメンバー一同「ぽかん」となってしまう。「君たちは意見がないのか!」とイラつく上司。言いがかりもいいところです。

 どんなに優秀なファシリテーターをそろえても、あるいは参加者のプレゼンテーションスキルを鍛えても、これでは打ち合わせや会議の質は向上しません(なのにファシリテーションスキルやプレゼンテーションスキルだけを鍛えて、会議の効率をあげようとする会社の多いこと……)。なぜなら、インプットが与えられていないから。

 題材、考えるためのネタ、参考情報……優秀なリーダーはアイデア出しや検討会の会議を行う前に、必ず参加者にインプットを提供しています。

・事前に資料を送付しておく
・参考記事を送り、読んでおいてもらう
・会議のフォーマットを送り、当日何が行われるかをイメージさせる
・当日、テーマに精通した専門家を呼んで講話をしてもらう

これだけで、当日の会議の質が変わってきます。より良い意見やアイデア、すなわちアウトプットが出るようになります。会議は設計8割、当日2割。ファシリテーションやプレゼンテーションが生きるのは、残念ながら当日の2割の部分でしかありません。事前の設計、良質なインプットの提供がカギです!

 以下に、よくある会議テーマごとのインプットの例をまとめました。ご自身の会議設計の参考にしてみてください。

●次年度の部門予算案を決める会議
【インプットの例】:全社の予算計画と実績、前年度の予算案、他部署の予算計画情報

●業務改善検討の会議
【インプットの例】:現状を示す資料、改善フレームワークの事例や解説、改善事例

●働き方改革の方策検討会議
【インプットの例】:他社の働き方改革事例記事、働き方改革を実施している部署の声

●新企画のアイデア出し
【インプットの例】:市場動向の調査レポート、自社の目指す方向性が分かる資料、業界内外の新企画の記事、「そもそも企画とは何か」を解説した書籍

(この原稿は書籍『チームの生産性をあげる。――業務改善士が教える68の具体策』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)

スペシャル・インフォメーションPR
  • ダイヤモンド・オンライン 関連記事
    一流の磨き方

    一流の磨き方

    浜野安宏 著

    定価(税込):本体1,300円+税   発行年月:2017年7月

    <内容紹介>
    「一流」とは、上流でも、中流でも、下流でもない。お金で買える高級品でもない。一流とは「とらわれない力」であり、孤独であり続ける力。膨大な「経験」に裏打ちされて、しっかり底光りするものであり、仕事や遊びの時間と質が、人を本物へと磨き上げるものである。

    本を購入する
    著者セミナー・予定

    (POSデータ調べ、8/6~8/12)



    沢渡あまね(さわたり・あまね)

    1975年生まれ。あまねキャリア工房 代表。業務プロセス/オフィスコミュニケーション改善士。
    日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・コンサルティング・執筆活動などを行っている。NTTデータでは、ITサービスマネージャーとして社内外のサービスデスクやヘルプデスクの立ち上げ・運用・改善やビジネスプロセスアウトソーシングも手がける。現在は大手製造業、アミューズメント企業、輸送機器メーカーなど複数の企業で「働き方見直しプロジェクト」「社内コミュニケーション活性化プロジェクト」「業務改善プロジェクト」のファシリテーター・アドバイザー、および組織作りや人材育成を行う。著書に『仕事の問題地図』『職場の問題地図』(技術評論社)、『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』(C&R研究所)などがある。趣味はドライブと里山カフェめぐり。


    チームの生産性をあげる。

     生産性の高い働き方をするためには、残業規制や業務の効率化・高速化だけでは不十分です。「時短」ばかり意識すると、逆に業務量は増え、労働時間は増えていきます。生産性をあげるには、あなたが何気なくやっている仕事の取り組み方を、根本から変えるプロセス改善が必要です。
     本書は、大手から中小企業まで数多くの働き方改革を成功させ、現場を知り尽くした人気の業務プロセス改善士が、仕事の進め方を変えて、アウトプットを最大化する68の手法を解説します。
     現場の部課長、チームリーダー、プレイングマネジャーなどから、経営企画部門、人事部門、広報部門、総務部門などの担当者まで、どんな業種・職場でも使える、超実践的な1冊です。 日本マイクロソフト、ヤフー、日本旅行、ナムコ、NTTデータ、大阪王将、ジヤトコ…他、企業事例多数掲載!

    「チームの生産性をあげる。」

    ⇒バックナンバー一覧