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東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

千代田区――大地震で3人に2人が帰宅困難者に! 都心ならではの知られざるリスクと対策

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第2回】 2011年7月27日
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 帰宅困難者、通称帰宅難民――。東日本大震災が発生した3月11日、この言葉がにわかに現実のものとなった。

 だが、近い将来首都直下型地震が発生したら、混乱は到底3.11の比ではない。鉄道の復旧には相当の時間を要することを覚悟しておかねばならない。そのとき、冷静に行動するためには、日頃から十分な準備が不可欠である。

首都直下型地震で3人に2人が帰宅困難に
もし帰路で道路の寸断や火災に直面したら

 首都圏が直下型地震に襲われると仮定した場合、東京23区内には888万人の人がおり、うち4割の346万人が帰宅困難に陥ると東京都は予測している。千代田区で発生する帰宅困難者は57万人、帰宅困難者の発生比率(地震発生時に千代田区にいた人のうち帰宅困難となる人の割合)は66%。実に、3人に2人が家に帰ることができなくなる(図1参照)。

 自宅までの距離が10kmを超えると、1kmごとに10%ずつ帰宅困難者が増えていき、20km以上では全員が帰宅困難になると言われる。千代田区から直線距離が10km以内と言えばおおむね環七の内側、15㎞で23区内のエリアとなるから、これは相当な距離だ。自宅まで20Km以上の人が実際に歩かねばならない距離は、もっと長くなる。

 都市災害に詳しい東京大学の廣井悠助教、東洋大学の関谷直也准教授らが、首都圏に住む人を対象に行なった調査によると、東日本大震災の発生時に知りたかったことは「家族の安否や居どころ」が67%、帰宅の可否を判断するために使おうとした手段は「携帯電話」が82%、特に困ったのは「携帯電話が使えなかったこと」が71%だったという。

 調査の結果からも、携帯電話が通じない中、家族のことが心配で歩き出した人が多かったことがわかる。しかし、首都直下型地震が起きたら、帰路で火災が発生したり、道路や橋が通行不能になるかも知れない。災害用伝言ダイヤルの利用など、非常時の連絡方法を家族と確認し合っておくことが、帰宅対策の第一歩だ。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

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