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中学版・受験の真相

先入観や誤解に惑わされがちな
中高一貫校選びの注意点は

安田賢治 [大学通信常務取締役]
【第12回・最終回】 2011年8月5日
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 私立中高一貫校を選びには先入観や誤解が常につきまとう。

 たとえば、近隣にある一貫校はよくない評判が印象に残り安い反面で、離れたところにある一貫校は情報が少なく、いい学校に見えてしまうということはよく指摘されることだ。

 親戚や知り合いが卒業した、あるいは在学しているなどという学校についての情報は手に入りやすい。身近なひとから聞いた実態だからなおさらのこと、良くも悪くもそのまま鵜呑みにしてしまう。ひとりの意見に過ぎないのだが、決めつけてしまいがちだ。こうした先入観や誤解を元に、知らず知らずのうちに学校を独断的に評価してしまっていることが意外に多い。

「入ってしまえば楽」
「親同士の付き合いが大変」は本当か

 また、中高一貫校全般に対する先入観や誤解も多い。いくつか例を挙げよう。

 一貫校そのものに対するものだと、「有名大の付属校だから6年間のんびり過ごし、エスカレーターで楽に大学まで進学できていい」「中高一貫校だから6年間は保証されている」「私立だから親同士の付き合いが大変」などだ。

 付属校だから6年間楽に過ごして大学へというのはかなり甘い考えだ。そうであってほしいという気持ちは分かるが、大学入試がない分だけ楽、その程度のものだ。

 たとえ全員が併設大学に進学できる有名大の付属校だとしても、希望の学部に進学するとなれば普段の学習成績がものをいう。どこの学部でもいいと高を括っていると、成績が悪くて落第となる学校もある。6年間ずっと在学できるかどうかも入学後の頑張り次第なのだ。

 公立中学校にトップの一貫校から転校してくる生徒が少なからずいる。授業についていけなくなっているのだ。「合格したらゲームなど好きなことしていいから、受験勉強をがんばりなさい」などと言っていると、入学後ほんとうに勉強しなくなり、ついには公立中に転校することになって元の木阿弥だ。一貫校合格はゴールではなくスタートなのだ。決して安穏としていられるわけではない。

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安田賢治[大学通信常務取締役]

56年兵庫県生まれ 早稲田大学政治経済学部卒業後、大学通信入社現在に至る。著書に「中学受験のひみつ」(朝日出版)「笑うに笑えない大学の惨状」(祥伝社)「教育費破産」(祥伝社)がある。


中学版・受験の真相

2010年は26万人。全生徒数に占める割合は7.2%で、この比率は30年前の2.5倍。私立中学の在籍者数である。さらに驚くべき数字がある。東京都における私立中学校への在籍割合は26.2%、実に4人に1人が私立を選んでいるのだ。いまどきの中等教育に、お父さんの経験則はまったく通用しない。子どもの教育に父親として責任を果たす、そのためにはまず中等教育の現実を知る必要がある。大学入試の実績分析を通して中学校・高校を見続けて約30年、学校評価の第一人者が中学受験をズバリ解説します。

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