「たのしい」で止めない質問が、語彙力と“成績アップ”につながる理由
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格! 『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

2文字トレーニングと“引き出しを増やす”工夫
僕の両親が長い表現を2文字で簡潔に置き換えられるようになる「2文字トレーニング」とともにやってくれていたのが、表現をする際の“引き出しを増やす”試みです。
どういうことかというと、遊園地やキャンプに家族で出かけた後、子どもに「今日はどうだった?」と訊ねると、普通は「楽しかった!」「面白かった!」といった返事が返ってくるでしょう。
でも、実のところ「楽しさ」には、いろいろな種類がありますよね。
初めての体験でワクワクするような楽しさもあれば、快感をともなうような楽しさもあります。「楽しい」「面白い」あるいは「悲しい」といった表現を、もう1歩進めて独自の気持ちを乗せてアウトプットする練習をすると、より語彙力が高まり、アウトプット時の表現の幅も広がります。
身体の感覚をヒントに、感情を言葉にする
その際、ヒントになるのが、自分の“身体的な感覚の変化”です。心と体は1枚のコインの表裏のようなもの。体は心の変化を雄弁に物語ります。
「頬がカッと熱くなるほど熱中した」「初めての体験で心臓がバクバクした」といった比喩表現を会得していけば、語彙力は高まります。
僕の両親は、何かあるたびに「そのとき体はどんな感じがしたの?」と盛んに問いかけてくれていました。
アウトプットが語彙力と読解力を高める
インプット(読解力)とアウトプット(伝達力)は、自転車の両輪のようなものです。インプットは下手だけど、アウトプットは上手い、といった人に僕はまだ1人も会ったことがありません。
アウトプットが上手にできるようになれば、ほかの人が何をどう表現しているかにも興味が湧いて注目するようになり、インプットの能力も知らず知らずのうちにアップするのです。
感情の言語化は、自分と他人を理解する力になる
もちろん、こうした語彙力トレーニングは、単なる言葉遊びではありません。
「楽しい」「つらい」といった一言で済ませていた感情を、もう少し丁寧に言葉で表現できるようになることで、自分自身の気持ちをより正確に把握できるようになります。
すると、自然と他人の気持ちにも敏感になり、相手の感情を言葉から読み取る力=共感力も高まっていきます。つまり、語彙力を高めることは、コミュニケーション能力そのものを磨くことにもつながるのです。
「自分を知る」力を育てる語彙トレーニング
加えて、自分の体感や感情を繊細に言葉にするトレーニングを重ねていくと、「自分って、本当はこんなふうに感じていたんだな」と、自分でも気づいていなかった内面に光が当たることもあります。
これは、大人になればなるほど、そして他人との関係性に悩むことが多くなるほど、貴重な“自分を知る時間”になっていきます。
「うまく言えない」で終わらせない力
ちょっとした感情や体感を、「うまく言えないけど」で済ませずに、言葉にしようとすること。
その小さな積み重ねが、あなた自身の伝える力と、感じ取る力を、着実に鍛えてくれるのです。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。