嫌いな人を「許そう」と無理に思う必要はない

新著『忘れる力』を出版した臨済宗 全生庵住職の平井正修氏が、刺激にさらされ、ストレスや不安に悩むビジネスパーソンに、波立つ心を穏やかにさせる方法を指南します。今回のテーマは「嫌いな人にどう接するか」。相手が嫌だという感情を無理に抑え込む必要はないのです。

仕事上の人間関係は
「仕事のうち」と割り切る

 いつまでも引きずってしまう感情の代表的なものが、「許せない」です。

 人間ですから、私自身も許せないと思うことはあります。

 誰しも「好き」「嫌い」の感情が生まれたり、許せない気持ちがわき上がってきたりするものなのです。

 よく、「人間は悪いところばかりではないから、よいところも見つけましょう」と言いますが、無理な話です。嫌いな人のことはどうやっても嫌いですから、それは仕方がありません。

 他人とは、合う、合わないがあって当たり前なのです。

 また、「仕事上の人間関係は仕事のうち」とも、よく言われます。

 嫌いな相手でも合わない人でも、それを含めてうまく進めていくのが仕事、という考え方です。会社では仕事をするのですから。

 もし合わない人がいたとしても、別に仲よくする必要はありません。生きているのですから、マイナスの感情がわいてくるのは自然なことです。それを無理に抑えようとする必要はないのです。