経営 X 人事

ヤフーの上司と部下の面談ではなぜ「ゴールを設定」するのか

 1on1ミーティングにご興味を持たれてトライしてみたい方や、これから調べて検討しようと思っているといった方々に、少しでも参考になればと思います。第1回は、管理職研修の中で挙がってくる声を取り上げてみたいと思います。

 ヤフー社内では、新任管理職社員を対象に、1on1ミーティング(以下1on1)を効果的に実施するための研修が行われています。そこで学ぶ最も基本的な事柄は、1on1を始めるときには「まずテーマとゴールを一致させる」というものです。言い換えると、1on1の冒頭で「今日は何について話して、30分後にどういう状態が得られたらよい?」といった“問い”から始めることを学びます。

 すると、研修参加者の中から、次のような意見が出てきます。

 「1on1が、部下に自由に話をしてもらう場ならば、テーマを固定したり、ましてゴール設定など、対話の幅を狭めることになるのではないでしょうか」

 「私は、敢えてゴールを設定したくありません。なぜなら、達成をコミットしなくてはならなくなりますからね」

 なるほど、どちらの言い分も理解できます。最初にテーマやゴール設定をしてしまうと、部下も上司も制限時間内に目標達成することに意識が向いてしまい、肝心の内省プロセスがおろそかになってしまうことを危惧した発言です。これは、1on1を内省の場だと理解しているからこその見解であり、一理あると言えます。

 ゴールを意識するあまり、考えが深まらないとしたら本末転倒だという主張ですね。一般にビジネスパーソンがゴール設定すると言えば、必達の目標予算を思い浮かべるでしょうから無理もありません。

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ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏

人事の領域で職場内コミュニケーションの手法として関心を集めつつあるヤフーの1on1ミーティング。3月に仕掛け人である同社上級執行役員・本間浩輔氏による『ヤフーの1on1』(ダイヤモンド社)が刊行され、そのノウハウが明らかにされた。本連載は、本に書き切れなかった1on1のあれこれを、本間氏とともに社内での普及を進めたスタッフである吉澤幸太氏に語ってもらう。

「ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏」

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