経営 X 人事

ヤフーの上司と部下の面談ではなぜ「ゴールを設定」するのか

 また、その日の1on1を終えるときに、有効度合いを確かめることにも役立ちます。話したかったことは100%話せたか、次の行動につながるヒントは得られたかなどは、冒頭でテーマとゴールについて両者で合意していなかったら確かめようがありません。

 単に達成したか否かを判定するのではなく、7割しか話せなかったのなら、次回は残りの3割について探求しようとか、緊急なら明日もう一度時間を作って話そうなど、次の具体的な行動にもつながります。互いに共有されたポイントを明確にしているからこその展開であり、両者にとって有意義な変化をもたらすカギになります。

1on1と
普通の会話を分けるもの

 1on1において冒頭でテーマとゴールを共有しておくメリットをまとめておきます。

*話が逸れたときに元に戻しやすい
*1on1がどのくらい有意義だったかを確認できる
*次に実施すべき具体的行動が決まる

 書き出してみるとこれだけのことかと感じるかもしれませんが、この3つの威力は絶大です。 いわゆる普通の会話と区別できるポイントがこの3点だと言ってもよいでしょう。

 1on1を体験していくとわかってくることですが、冒頭でテーマをはっきり決めずに話し始めてしまうと、最初の数分間はなんとなく互いに探り合うような感じになることがあります。場合によっては居心地すら悪くなってしまうことも。そうなると1on1はほぼ失敗します。

 部下が話をしやすくなるように、自由でリラックスした雰囲気を作ろうといった部下面談の指南による弊害の一つかもしれません。部下は、上司と向き合うせっかくの時間を雑談ばかりで潰したくないと思っています。短いアイスブレイクはよいとして、その後に続く「さて、今日はどうしましょう?」という切り替えは、両者を落ち着かせる意味で思いのほか有効なのです。

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ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏

人事の領域で職場内コミュニケーションの手法として関心を集めつつあるヤフーの1on1ミーティング。3月に仕掛け人である同社上級執行役員・本間浩輔氏による『ヤフーの1on1』(ダイヤモンド社)が刊行され、そのノウハウが明らかにされた。本連載は、本に書き切れなかった1on1のあれこれを、本間氏とともに社内での普及を進めたスタッフである吉澤幸太氏に語ってもらう。

「ヤフーの人材育成「1on1」の舞台裏」

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