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「引きこもり」するオトナたち

発達障害の大人たちが持つ
“隠れた才能”と“不器用な優しさ”

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第75回】

 この8月、東京都江戸川区に、都内で3ヵ所目となるNPO法人「全国引きこもりKHJ親の会(家族会連合会)」江戸川支部が開設された。この支部を立ち上げた柳田節子さん(54歳)は、「発達障害」の「アスペルガー」と診断された24歳の息子をもつ母親である。

面接中を襲う並々ならぬ緊張と不安
就職を諦め、1日500円の作業所へ

 「発達障害」と「引きこもり」現象との因果関係については、当連載でも何度か報告してきた通りだ。

 柳田さんの息子は、今年の3月頃まで、ずっと就職試験を受け続けてきたが、どこにも採用されなかった。面接を迎えると、並みの緊張ではなくなるのだ。

 面接では、何があるかわからない。そう思うと、ますます不安が募った。

 その原因はわからない。ただ、彼は不安感に覆われると、なぜか怒りの表現になって、イライラしていたという。

 漠然とした生きづらさを抱え、大人になると、どこにも行き場がない。彼は、就活を諦めて、知的障害者の作業所を選ばざるを得なかった。

 ところが、1日午前9時から午後4時まで働いて、賃金は500円。昼食の弁当代に380円徴収されるため、差し引き120円では、交通費にもならない。

 そして彼は朝、起きられなくなった。さらに、

 「遅刻しないで来い!」

 と、スタッフから言われるだけで、作業所にも通えなくなってしまった。

「いじめ」を見て見ぬふりできず、
いきなりいじめっ子に殴りかかることも

 中学生の頃から、シャツをズボンの中にきちんと入れなければ、外に出ることができなかった。たとえ車が道路を走っていなくても、信号は必ず守り、横断歩道を歩く。

 「本人は、悪いとは思っていませんでした。しかし、真面目すぎることがアダになってしまっていたんです」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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