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ブラジル大型買収に落とし穴
大株主がキリンの買収に反対

週刊ダイヤモンド編集部
2011年8月5日
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スキンカリオール(右上・商品)の買収金額は今後ふくらむ可能性も大きい(左・三宅占二・キリンHD社長)

 キリンホールディングス(HD)が約1988億円を投じる大型買収に波乱だ。2日に発表されたキリンによるブラジル2位の酒類・飲料メーカー、スキンカリオールの買収に対し、大株主である創業一族が反対。株主条項違反を訴え法的措置も検討すると表明したことが、現地報道でわかった。

 キリンの交渉相手は、スキンカリオールのCEOで、同社の株式の約51%を保有するアドリアーノ・スキンカリオール氏らのグループ。残り約49%はアドリアーノ氏の従兄弟であるジルベルト・スキンカリオール副社長らの創業一族が保有する。ジルベルト氏は、株式売却の際に他の株主に優先交渉権を与え、事前通知する条項があり、買収は無効と主張した模様。

 オーナー経営陣が買収をめぐって真っ二つに割れる展開で、キリン初の南米での大型買収の行方は、一気に不透明になった。キリンは「現地の法律家のチェックでは買収は適法と考えている。他の大株主とも友好関係を保つべく努力したい」としている。

 この売却話は「キリンの前にも、ブラジルの金融機関を通し、海外大手や国内の数社に持ち込まれたが、海外勢は経営陣が割れているのを嫌い話から降りた」(金融筋)という。法廷闘争に突入すれば、かなりの禍根を残すことになる。

 とはいえ、残りの株をジルベルト氏らから買収するとなれば、価格の上乗せや経営参画を要求される可能性もある。ただでさえ「1988億円はキリンの前に他社に提示された価格よりも高い」(同)という。魅惑の成長市場への“参入切符”は結果としてかなり割高な買い物になる可能性も出てきた。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木洋子)

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