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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

五島バスターミナルホテルに見る
細部に神が宿るホテルの条件

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第67回】 2011年8月25日
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 前回、このコラムで、長崎県五島市にあるCホテルの問題点を取り上げた。後半には、旅先の感動をくれた五島バスターミナルホテルの存在にも触れ、「宿泊料金ではCホテルの3分の1である五島バスターミナルホテルでは、いろいろと感動的なサービスと出会った。これらの感動についてはまた別途機会を設けて報告したいと思う」と書いた。

 その時点では、私は機会を見て、離島やホテル事情といったテーマの原稿を書く時にこの五島バスターミナルホテルのことを取り上げようと思っていた。しかし、前回のコラムに対する反響が出てくるのを見て、公正を期すためにも五島の観光環境の良い一面を評価する必要があると判断し、今回も五島の話に焦点を当てることにした。

 まず、ツイッターでは、「長崎県観光連盟の紹介ってことはおそらく連盟に支配力をもつ有力者のホテルなんだろうな。コネも財力もあるからわざわざ企業努力をしないってことだろう。保守系政党の支持者に多い」という指摘があったが、それは違うと思う。手配してくれた長崎県観光連盟の関係者はこのホテルのことをあまり知らないようだった。

 「震災の影響で客足落ちたとボヤく前に、することはたくさんあるなあ。日本の観光ビジネス。今の日本って、大昔の中国みたい」「日本のホテルもWiFiは当たり前になって欲しい」といった指摘は全くその通りだと思う。

 中には、見放した読者もいた。「俺は五島のホテル利用する機会ないけど、まー島の企業なんてこんなもん。観光業とか成長見込めないと思う。経済的にはね」。

 もちろん、正面から見詰める読者もいる。「細部に神は宿りますからね。そう思います。がんばらねば RT これちょっと課題にしたほうがいいかもですね」と。

 その「細部に神は宿る」という言葉は私の心の琴線に触れた。そこで今回のコラムでも五島を取り上げる決意を固めた。

五島バスターミナルホテルのロビー。

 深夜、インターネットを利用するため、恐る恐る五島バスターミナルホテルを訪ね、フロントに当直している方に、「隣のCホテルに泊っている者ですが、そちらのインターネットを利用させていただけないでしょうか」と尋ねたところ、どうぞどうぞと笑顔で迎えてくれて、ロビーに置いてある机を指しながら、「あそこで利用できますよ」と教えてくれた。見ると、小さな机にインターネットのケーブルがある。ランプも置かれている。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


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地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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