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高橋洋一の俗論を撃つ!

与謝野大臣が「俗論」と決めつけた
物価上昇による財政改善は本当に「俗論」か?

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第20回】 2011年8月25日
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 民主党代表選は、前原誠司前外相が23日正式に出馬声明を行い、一躍有力候補に躍り出た。前原氏は「円高、節電で企業が大変な時に増税すべきでない」といい、その点で野田佳彦財務相と意見が合わず、復興増税を主張する野田氏では代表戦を勝てないということで、自らが出馬したようだ。

 復興財源については、政府株売却等を充てる考えだ。また、金融政策については、今年6月9日のブルームバーグ・ニュースとのインタビューでは「もう少し日銀のバランスシートを拡大してもいいのではないか、どういう形であれ国債の引き受けを行うようなことをもう少しやってもいいのではないか」と語っている。 日銀引受についても、前原氏は日銀の独立性を理解した上で、野田氏が言下に否定するのに対して、それを否定せずむしろ前向きだ。

 一方、2010年代半ばまでに消費税率を10%に引き上げるとした菅内閣の社会保障と税の一体改革案については、支持する姿勢を示している。

依然「よいデフレ」論をぶつ
与謝野経済財政担当大臣

 もっとも、金融政策を活用して復興増税を回避すると、消費税増税も回避できる可能性が高いと私はみるが、そのような考え方は「俗論」と主張する報告書が内閣府からだされた(ようだ)。

 (ようだ)というのは、23日、与謝野馨経済財政担当相は、インフレによる財政健全化策に対し俗論であるといったのであるが、肝心要の報告書が本稿の執筆締め切りである24日の午前中までに、内閣府のホームページにアップされていないのだ(記者レク用と思われる概要1枚紙はアップされているが、報道そのもの〈記者はその丸写し?〉で、その内容は分析とはいえない)。

 本コラムのタイトルを連想させるように、わざわざ現役大臣が「俗論」とおっしゃったわけだが、早く報告書をアップしてもらいたいものだ。もっとも、私は、この件について与謝野氏とは長年にわたって議論してきたので、内容は簡単に想像がつく。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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