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リーダーの決断

たゆまぬ挑戦を生む企業文化の秘密
アマゾン・ウェイ:挑戦、顧客志向、楽観主義

The Institutional Yes

ジェフ・ベゾス
2011年8月29日
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インターネットの爆発的な普及が始まった1995年に創業して以来、アマゾン・ドットコムは常にeコマースの先端を走り続けてきた。それは、業界や資本市場のみならず、社員たちをも驚かせる挑戦の連続だった。

可能な限りの価格の低下とプロセスの生産性向上に努める一方、書籍販売にとどまらず、新規分野への参入と新サービスの開発に取り組み、時には既存事業とのカニバリゼーションをもいとわない。

その土台は、ジェフ・ベゾスいわく「企業文化」であるという。不確実性が高い現在だからこそ、ライバルの動向を追いかけるのではなく、顧客重視の姿勢を貫き、そのために果敢にチャレンジする。とはいえ、CEO以下全員が、肩の力を抜いて仕事を楽しむ。いまあらためて、アマゾンの創業者に、その強さの秘密を聞く。

アマゾンの戦略は何を礎にしているのか

 アマゾン・ドットコムは戦略の申し子である。周知のように、創業者のジェフ・ベゾスは投資会社の計量分析チームにいた当時、ネット上での書籍販売にビジネスチャンスを見出した。

ジェフ・ベゾス
Jeff Bezos
アマゾン・ドットコムの創業者にして、現在会長兼CEO兼社長。プリンストン大学卒業後ニューヨークで金融アナリストとして勤務した後、1990年にヘッジ・ファンドのD. E. ショーに移り、92年にエグゼクティブ・バイス・プレジデントに昇進。しかし94年春、インターネットの拡大に注目して退社し、翌95年7月にアマゾンを創業。

 出版業界については門外漢だった彼は、論理的な発想に基づいてビジネスモデルを築いた。商品の性格とサプライチェーンの構造から考えて、リアル店舗を構えなくとも大規模に事業展開できるはずだ、とにらんだのだ。

 アマゾンは1995年の創業以来、業務の生産性向上に努める一方、未開拓市場を見つけ出しては積極的に参入してきた。最近も、ウェブ構築者向けに事業展開するという大胆な動きを見せた。自社用に開発したツールを、他のウェブ構築者向けに提供するのだ。アマゾンの新規事業はどれもそうだが、この事業もまた、十分に理にかなっていながら、意外性に満ちている。どこか型破りなのだ。

 アマゾンの打ち手が次々と的中したことを受け、HBR編集部では、アマゾンならではの戦略プランニングの特徴を探ってみたいと考えた。どのようにアイデアを検討するのか。その実現に向けて、どのような努力を傾けるのか。ジェフ・ベゾスの持ち味こそが強みなのか、それとも組織力のなせるわざなのか。

 編集長のトーマス A. スチュアートとシニア・エディターのジュリア・カービーが、2回にわたってベゾスにインタビューを試みた。ベゾスは、トレードマークの笑顔を折々に交えながら、幅広い内容について熱っぽく語ってくれた。なお、ベゾスの妻マッケンジーは、会う人ごとに「ジェフは機嫌が悪くても、5分もすればケロっとして笑い転げるわ」と語っている。

 インタビュアーの2人は、アマゾンの戦略と企業文化は、根っからの起業家特有の楽観主義に由来しているという感想を抱いた。以下の内容は、インタビューを編集したものである。

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