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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

中国ネット書籍販売で台頭する「快書包」の仰天戦略
大手の寡占市場でも“中国流の工夫”で勝ち上がれる!

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第54回】 2011年9月6日
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 ワールドカップのように、欧米系、日系、韓国系、中国ローカル系などが、しのぎを削って戦いを繰り広げている中国市場。そんな中で、陣取り合戦のフェーズが終わり、勝ち組が見えてきた業界もある。

グローバルトップ企業の「亜馬遜」(Amazon)と、中国ローカルである「当当網」の2強が君臨する中国のネット書籍販売市場で、にわかに注目され始めた「快書包」とは、どんなサービスか?

 毎年40%以上の成長を続け、2012年に市場規模が100億元に到達すると言われている中国のネット書籍販売市場も、その1つ。グローバルトップ企業の「亜馬遜」(Amazon)と、中国ローカルである「当当網」の2強が君臨する状況になりつつある。

 そんななか、「1時間以内で本を配達」というスピードを武器に、大手2社に果敢に勝負を挑んでいるチャレンジャーがいる。中国ネット書籍販売業界のコンビニエンスストアを目指す「快書包」だ。2012年に売り上げ1億元(市場シェア1%)を目指す快書包は、どのように巨人たちと戦おうとしているのだろうか。

大手に対抗するために強みを絞り込め!
注文した本を1時間以内に届ける「快書包」

 もともとリアル書店を経営していた徐智明が2010年10月に起業したオンライン書店「快書包」は、北京、上海、西安、成都、天津、長沙、杭州の7都市で事業を展開している((2011年8月20日現在、今年末までに12都市へと事業を拡大する予定)。創業後1年も経たずにここまで事業を拡大するスピード感は、中国ならではだろう。

 これは中国に限った話ではないが、スタートアップ企業が規模で圧倒的に優位に立つ大手プレイヤーと勝負する場合には、自社の強み1点に絞り込み、その強みが効くニッチなマーケットにフォーカスする必要がある。快書包のケースでは、「1時間以内に届ける」というスピードが訴求ポイントになっている(しかも注文金額によらずに配送料は無料)。

 上海などの大都市であれば、卓越亜馬遜(Amazon)、当当網も1~2日で配送する。大手2社と配送スピードで差別化するためには、3時間などの中途半端な早さではなく「1時間」という圧倒的なスピードにこだわる必要があるのだろう。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


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