世界有数のゲーム開発ソフトウェアとして有名な「Unity」が今、産業界で注目されている。ゲームで培ったリアルな再現技術:リアルタイム3Dを活用した「Unity」の「デジタルツイン」テクノロジーが、ものづくりの現場や販売の現場を激変させているからだ。デジタルツインの可能性と活用の現場に迫る。
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン
松本靖麿(やすまろ)
代表取締役社長
松本靖麿(やすまろ)
代表取締役社長
2004年、デンマーク・コペンハーゲンで3人の若者が創業した会社Unity(ユニティ)は、05年にリリースしたゲーム開発ソフトウェア(ゲームエンジン)の「Unity」により、ゲーム開発の世界で革命を起こした。「ゲーム開発の民主化」というビジョンを掲げ、「Unity」のほとんどの機能を無料で開放したのである。
産業界に注目された
ゲームエンジン
「Unity」は当初からWindowsにもmacOSにも対応していた。「現在ではiOS、Androidを含め20以上のプラットフォームに対応しており、プラットフォームごとに開発をし直す必要がありません」と語るのはユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの松本靖麿(やすまろ)社長だ。使い勝手の良さがユーザーに歓迎され、大きなコミュニティーを形成し、活発な情報の共有が行われているところも「Unity」の特徴といえる。
「Unity」の評価が高まるにつれて産業界でも活用されるようになった。松本社長は「19年ごろから産業界でも『Unity』を活用しようという流れが顕著になってきました。建築や自動車など製造業の分野でデジタルツインの切り口で幅広く使われています」と語る。
デジタルツインとは、現実空間で情報を集め、仮想空間内で再現するテクノロジー。デジタルツインを活用することで、パソコン上で現実空間のリアルタイムな監視ができたり、安全に効率良くシミュレーションができたりするようになる。