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あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

分不相応の高待遇が生む「フリーライダー化の連鎖」
鈴虫寺の僧侶が説く“フェアな交換”を自覚するヒント

河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長],渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]
【第37回】 2011年9月14日
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ロクに仕事もせずに高待遇を貪るだけ
分不相応の待遇が「タダ乗り化」を促す

 フリーライダー問題を考えるとき、基礎になるコンセプトがある。

 それは「交換」である。

 「あいつ、こっちが調べた情報たくさん提供して、人も紹介して手伝ってやったのに、全部自分の手柄として報告しやがって(怒)」

 「あの人、一日中デスクのパソコンに張り付いて、ネット見て、ゲームして、申し訳程度の事務仕事して、それで定時退社ですよ。こっちは忙しくてヒイヒイ言いながらサービス残業してんのに(怒)」

 私たちは、職場に「労働力」という資源を提供し、その見返りとして「賃金」や「福利厚生」のような待遇という資源を得ている。そしてその待遇は、基本的には私たちの提供する労働力の質や量に見合ったものになるはずである。

 フリーライダーとは、その人物の提供する資源に不釣り合いな「高待遇」を得ている者を指す。その分不相応の「高待遇」のぶん、前述の不満のようにワリを食う人が出てくる。

 会社組織と自分との資源の交換がフェアではない場合は、いくつかの原因があるが、フリーライダーはその中でも最も重要なものの1つだ。

 しかし、拙著『フリーライダー――あなたの隣のただのり社員』でも述べているが、この「資源」の交換がフェアか否かを判断するのは難しい。なぜなら、個々の社員が提供する「労働力」の価値をどう資源として評価するかが、非常に困難だからだ。

 フリーライダーはそこにつけ入る。あの手この手で、自分の労働が高い価値を持つフリをし、他人の労働価値を貶める。あるいは、すでに手に入れた地位や役職にしがみつき、価値のある仕事は一切せずに、高待遇だけ享受する。

 このように見ると、フリーライダーは「悪い」ことのように思えるが、必ずしもそういった悪意を持ってタダ乗りしている社員ばかりが、フリーライダーではない。そのような社員がいることで、戸惑い、消耗し、ヤル気を削がれた社員たちも、自分たちの労働の質を落としていき、やがてフリーライダー化する。

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河合太介 [(株)道(タオ)代表取締役社長]

ワトソンワイアットを経て、「人と組織のマネジメント研究所」(株)道(タオ)を設立。ベストセラーとなった『ニワトリを殺すな』をはじめ、『デビルパワー エンジェルパワー』『育ちのヒント』(共に幻冬舎)など著書多数。慶応丸の内シティーキャンパス客員ファカルティー。

渡部 幹(わたべ・もとき)
[モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学助教、早稲田大学准教授を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学・大脳生理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。現在はニューロビジネスという大脳生理学と経営学の融合プロジェクトのディレクターを務めている。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


あなたの会社は大丈夫? 「タダ乗り社員」を生む職場

いつになったら報われるのか――。熾烈な競争に晒されたビジネスマンは疲れ切っている。そんな彼らに強い負の感情を抱かせるのが、職場で増殖中の「タダ乗り社員」(フリーライダー)だ。タダ乗り社員が増える背景には、企業の制度やカルチャーが変化し、組織に矛盾が生じている側面もある。放っておいてはいけない。ベストセラー『不機嫌な職場』の著者陣が、タダ乗り社員の実態と彼らへの対処法を徹底解説する。

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