軍事の“現場”で成功体験を重ねる金正恩氏(写真:「労働新聞」より)

8月29日に、“日本列島越え”の弾道ミサイルを発射した金正恩だが、最高指導者の地位を継承した経緯には謎が多い。そうした金正恩が、朝鮮人民軍に身分を秘匿して入隊し、一兵卒として軍隊生活を送ったと指摘する専門家がいる。朝鮮総連出身で、今はフリーライターとして活躍する李策氏が取材した。

2005年の初めから2年間
身分を隠して朝鮮人民軍に入隊か

 故金正日総書記の三男である金正恩朝鮮労働党委員長が、どのような過程を経て父親から最高指導者の地位を継承したかについては謎が多い。

 彼が父親の後継者に決まったのは2009年頃のこと。金正恩の誕生日は1984年1月8日とされているから、25歳の時ということになる。

 金正恩は、スイスに留学して小中学校に通い、2000年に帰国して以降、金日成総合大学と金日成軍事総合大学で教育を受けたとされている。ただ、国家の指導者となるべく特別な経験を積み、実績を築くには十分な時間がなかったことは確かだ。

 だが、金正恩の経歴の“空白部分”について、興味深い指摘がある。