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金融市場異論百出

世界経済の失速を物ともせず
中国高級品市場はいまだ健在

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2011年9月20日
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 9月から上海の東京短資駐在事務所に長期出張している。

 インフレ抑制のための中国人民銀行の金融引き締めにより、資金繰りが苦しくなった中小企業は多く存在している。日欧米の金融市場関係者やマスメディアは、「中国の内需は失速しないか?」と心配している。しかし、中国では逆に「海外経済は大丈夫か?」と警戒する論調が多い。国内要因による消費停滞が起きた場合は中国当局がなんとかしてくれるだろうが、リーマンショックの再来のような大混乱が欧米で起きて輸出が激減すると、かなり厄介なことになると懸念されている。

 とはいえ、上海の街を歩くと、バブリーな人びとの勢いは衰えていないことに気づかされる。中秋節(祝日)に人民広場の向かいにあるポルシェの販売店は、若い家族連れでにぎわっていた。巨大なボディのカイエンに人気が集まっていた。その近くの大型デパートの1階では、ランボルギーニの展示販売会が行われていた。スイス系超高級時計のテナントのショーウインドーには日本円で1000万円近い時計が並んでいた。

 南京西路にも欧州系ブランド店が林立している。タグ・ホイヤーでは、金、宝石、ワニ革で装丁された卯年マーク入りのスマートフォンが売られていた。

 中国はいまや世界のラグジュアリー商品市場の約2割を占めている。さすがに沿岸部では伸びが鈍化してきたようだが、ルイ・ヴィトンなどは、内陸の2級、3級都市へと店舗を積極展開している。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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