さまざま層のテクノロジー企業が
連帯して差別主義を排除

 アメリカでは、テクノロジー企業の提供するプラットフォームが、政治対立の舞台になることがますます増えている。

 最近では、白人至上主義者やネオ・ナチ支持者、極右派に対して、数々のテクノロジー企業が利用を禁止するようになった。ことに、8月半ばにバージニア州のシャーロッツビルで起こった白人至上主義者らと反対派との衝突事件の後、人種差別や偏見的な行動に反対するスタンスを明確にするテクノロジー企業が増えている。

 これら企業は、テクノロジーのさまざまなレイヤー(層)に位置している。

 例えば、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNS、ゲーマー用のチャットサービスのディスコード、ウェブホスティングのゴーダディー、ペイパルやアップルペイなどの支払いシステム、セキュリティーのクラウドフレア、さらにメールやアンドロイドアプリなど幅広いサービスを提供するグーグル、民泊サービスのエアービー&ビー、音楽ストリーミングのスポティファイなどだ。

 白人至上主義者らへの影響は、直接、間接的なものが混じっているが、こうしたサービスが利用できなくなると、ウェブサイトを運営し、活動資金を調達し、スマホやSNSで連絡を取り合うことが難しくなるだろう。明らかに組織的な活動を継続していくのに支障をきたす。複数のテクノロジー企業が、こうした反白人至上主義の具体的な処置を取ることで、その効果は上がるというわけだ。