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カスタマーサービスにもSNSの流儀が必須に?
米国企業が群がるゲット・サティスファクション

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第163回】 2011年9月22日
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 フェイスブックやツイッターで、自社に関する話題をフォローしている企業は多いことだろう。今や、ソーシャルネットワーク(SNS)上の噂や苦情、疑問を放っておいたりすれば、ブランド力の低下に直結する時代だ。

 こうした企業側の不安を和らげるツールを開発し、急成長しているベンチャーがある。創業4年目のゲット・サティスファクションがそれだ。同社が提供するのは、SNSによるカスタマーサービスである。

 はて、カスタマーサービスとは、そもそも企業が顧客に対して失礼のないように万全の注意を払って行う業務ではなかったか。それをSNSでやるとはどういうことか、と思われるだろう。

 ゲット・サティスファクションが狙っているのは、顧客からの問い合わせを企業の担当者が受けながら、それをSNS上でも公開することで、企業が自社の周囲に好意的なコミュニティを構築するためのプラットフォームとなることである。仕組みはこうだ。

 企業は、ゲット・サティスファクションと契約すれば、同社のサーバー上で運営されるカスタマーサービスのサイトを開くことができる。このサイトには、ちょうどツイッターのような入力ボックスが開いていて、顧客はそこに新製品に対する質問等を書き込むことができる。

 たとえば、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の紙おしめ「パンパーズ」のサイトを見ると、こんな具合だ。

 「ふきとりワイプを買ったら、ポイントが貯められると箱に書いてありますが、ポイント入力に必要な製品のコード番号がどこに印刷されているのかわかりません」という質問が投稿されている。加えて、121人が同じ質問をしているということがわかるようになっている。

 リンクを開くと、「箱の内側に印刷してあるのがコード番号じゃないの?」などといった他の顧客のコメントもあるが、そのうちP&Gの社員が投稿し、「申し訳ありません。コード番号が印刷されていないようでした。お時間のある際に、次の電話番号にご連絡下さい。そこでアカウントにちゃんとポイントが入力されるようにいたします」と回答している。

 つまり、企業や製品のスレッドに沿って、掲示板に書き込みをする要領である。他の客が質問に答えてくれることもあるが、その企業がゲット・サティスファクションと契約していれば、社員が出てきて正式に回答をくれる。そうしたやりとりをしていく中で、製品の問題点を把握したり、顧客の要望を聞いたりして、ビジネスにも役立てていけるというのが、ゲット・サティスファクションの売りである。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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