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混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー
【最終回】 2011年9月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

「生きる」とは「創造する」こと
起業の経験から見えてきた本当の“自由”

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本連載も最終回を迎えた。著者が自身の経験を振り返りながら、連載を総括する。幸せとは何か? 自由を得るにはどうすれば良いのか? 世界はどう変わっていくのか? 真に「生きる」ことで心身をすり減らしながらも自分の得手不得手を知り、将来の可能性を模索し続けながら発する、渾身のメッセージをお届けしよう。

 この連載も今回が最終回。最後は全体を総括しながら、自分自身のキャリアと照らし合わせ、そこからメッセージを抽出して伝えようと思う。

経済成長と引き替えに
日本が失ったもの

 2010年の秋、イギリス留学から帰国した僕は心の底から安堵した。

 久しぶりの日本は、相変わらず安全で便利な国だった。

 列車の切符はスムーズに買えるし、自動販売機のジュースも充実、売店の店員は親切で謙虚だ。気をゆるめて列車の座席の横にバッグを置ける国は、他にない。

 その一方、成田エクスプレスで新宿に向かう車窓から見える、電柱と電線が張り巡らされた田園風景の醜悪さが一層引き立って見える。自然と景観を保全するために、電線が地中に埋められているのが一般的なヨーロッパから帰ってくると、この国が経済と引き替えに失ったモノの大きさを思い知らされる。

 新宿駅では、帰途につく僕とは逆向きに、朝の通勤ラッシュで会社に向かう覇気のない人々の目が濁って見えた。

日本は豊かだが、決して幸福な国ではないな、と悟る瞬間だ。

 日本人の幸福度が低いことは有名だ。

 国の幸福度に影響する要因はたくさんある。たとえば、気候条件、出生率、宗教、雇用、格差、それらが複雑に絡み合いながら、幸福度に影響を与えている。

 しかしそれらは決定要因ではなさそうだ。

 南国だから幸福なわけではないし、イスラム教国家は一般に幸福度が低い。格差は幸福に影響を与えるが、中南米のように大きな格差があるにも関わらず幸福度が高い国も存在する。

 もちろん「金」は大きな影響要因だ。だが年間所得1万ドルを超えると、幸福との相関は一気に薄くなる。

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山口揚平 [ブルーマーリンパートナーズ 代表取締役]

早稲田大学政治経済学部卒。1999年より大手コンサルティング会社でM&Aに従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わった後、独立・起業した。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供、2010年に同事業を売却後、12年に買い戻した。現在は、コンサルティングなど複数の事業・会社を運営する傍ら、執筆・講演を行う。専門は貨幣論・情報化社会論。著書に『なぜか日本人が知らなかった新しい株の本』(ランダムハウス講談社)』『企業分析力養成講座(日本実業出版社)』『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか(アスキー・メディアワークス)』。
ブルーマーリンパートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
Twitterアカウント http://twitter.com/yamaguchiyohei

 


混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー

「唯ぼんやりとした不安」を理由に、芥川龍之介が自殺したのは35才のときだった。80年以上前の、繊細で複雑な作家の心境と単純に比較はできない。だが現代の若者には、将来への不安感がより広く蔓延しているのではないだろうか。日本の財政は危機的状況にあり、経済も低成長化が加速するなか、個人も国も変化を求められ、将来の見通しは不明瞭だ。たとえば、よい学校へ行き、大企業に入るーーーーそんな、高度成長期に一般的に良いとされた働き方や価値観も大きく揺らいでいる。今、私たちを取り巻く環境はどのように変わろうとしているのか? また、そのなかで生きていくために求められるリテラシーとは何か? グローバル・コンサルティング会社勤務に始まり、起業や事業売却を、30代前半までに経験した山口揚平が、痛感した社会の変化とサバイバル術を語る。

 

「混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー」

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