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「KDDIがiPhone販売」の陰でささやかれる
ソフトバンクがほくそ笑む意外な理由

週刊ダイヤモンド編集部
2011年9月22日
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 「全ての人に分かれ道はやって来る。問題は、そこで正道を選ぶか邪道を選ぶかだ」

 9月22日未明、ソフトバンクの孫正義社長はツイッター上に何かを暗示するような内容の投稿をしていた。

 その意味が明らかになったのはその日の朝のことだった。それまでソフトバンクが独占販売していたiPhoneを「KDDIが発売する」という報道が国内を駆け巡ったからだ。米アップルとの蜜月の関係が終焉を迎えることに思いをはせたともみられている。

 報道に対し、当のKDDIは「ノーコメント」を貫いているものの、かなり慌てている。というのも、両社は水面下で交渉を進めており、今回の報道が「最悪のタイミングになった」(KDDI関係者)ためだ。

 KDDIは26日に新商品発表会を控えていた。しかし、そこには新型iPhone5が並ぶことはない。アップルの発表は10月だからだ。しかもせっかくの新商品にも注目が集まらなくなり、買い控えも懸念される。

 事態はさらに深刻だ。アップルはこれまでどの企業に対しても契約内容の開示について厳しい姿勢をとっており、今回の報道により交渉が破談になる可能性も出てきたのだ。

 ただ唯一ほくそ笑むプレイヤーがいる。ソフトバンクだ。

 iPhoneの独占販売ができなくなると、ソフトバンクが受ける経営ダメージは深刻だ。契約者数で業界トップをひた走ってこられた源泉は、iPhoneのおかげと言っても過言ではないからだ。

 そのため、交渉がもつれれば、すなわちソフトバンクの利になるというわけだ。

 それでなくてもソフトバンクは携帯3社に包囲網を敷かれ、苦しい立場に置かれていた。

 欧州をおさえる英ボーダフォンとの関係がそのひとつ。ボーダフォンは9月20日、旧知の間柄だったソフトバンクを外してNTTドコモと法人営業で事業提携をすると発表した。

 また、電波を効率よく使える周波数帯(プラチナバンド)の割り当てを巡る獲得争いでも、業界4位のイー・アクセスから猛攻勢を受けている。イー・アクセスは、プラチナバンド獲得後、次世代高速通信技術「LTE」を核に全国に通信網を広げ、他の事業者に通信サービスを提供する方針を掲げている。「新規参入者が増えることで市場の活性化につなげる」といわれれば、そうして拡大してきたソフトバンクも反論ができない。割り当ては年度内にも決まる見込みだが、とれなければ1兆円の設備投資計画もふっ飛んでしまう。

 ソフトバンクは“3重苦”を抱えており、乗り越えるために業界内からは「KDDIの提携を潰したかったのではないか」との見方も出ているほどなのだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 小島健志)

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