局所的に小規模な電磁パルスを発生させて電子機器を破壊する機材も、今では世界中で売られており、テロリストが悪用する恐れがある。企業は今からテロ対策も見据えて対策を進めるとよい。

 次に、ミサイルが国内に落ちてきた場合、あるいは直接ないし誤爆で打ち込まれた場合だ。言うまでもなく、ミサイルに直撃されたら諦めるしかない。考えるべきは、近くに着弾したときにどう逃げ切るかだ。

 そのとき、個人にできる対処は限られている。Jアラート(全国瞬時警報システム)、防災行政無線で「ミサイル発射」のメッセージが流れたら、着弾までの猶予は4~5分しかない。内閣官房の「国民保護ポータルサイト」では、「屋外にいる場合はできる限り頑丈な建物や地下に避難する」「建物がない場合は物陰に身を隠すか地面に伏せて頭部を守る」「屋内にいる場合は窓から離れるか窓のない部屋に移動する」といった避難法が紹介されている。とりあえず、それで必要最低限の避難はできるだろう。

屋外よりも屋内のほうが安全?
既成概念に囚われず避難せよ

 ただし、それだけでは不十分だ。前述の避難法は、ミサイルに生物・化学兵器などが搭載されていないことを前提としているからだ。たとえば、化学兵器が搭載されているミサイルに襲われたら、濃度によっては空気よりも重いサリンやVXガスなどは低いところに溜まる性質があるため、地下に逃げ込んでいたとしてもむしろ危険だ。

 その場合、爆風を避けるために一旦逃れた地下から、今度は地上に出て風上に避難しないと助からない。もちろん、二次、三次の攻撃に備えて注意しながら避難する、備蓄されている防護服・防毒マスクを着用するなど、万全を期す必要がある。

 このことからも、政府の保護ポータルサイトは、国民が自分で考え、身を守るにあたって応用が効かない内容と言える。避難場所や方法は書かれていても、「なぜそこへ避難するのか」「何のためにそうした避難行動をとるのか」という理由が何も書かれていない。だから先日、弾道ミサイルが北海道上空を通過したとき、「地下もなければ頑丈な建物もない襟裳岬あたりで、いったいどうすればいいのか」と国民はパニックに陥ったのだ。実際は、地下や頑丈な建物でなく木造建物であっても、屋内の窓のない部屋ならば屋外より安全である。