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売上が伸び悩む今、現場で何が起こっているのか?
多くの企業が陥る間違いだらけの“営業力強化”とは

川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]
【第85回】 2011年10月3日
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営業は「結果」、
しかし「結果」からは何も見えてこない

 「うちの会社は、どうも営業力が弱いんですよ。だから営業力強化は喫緊の課題です」

 多くの市場が、ライフサイクルでいうところの“成熟期”あるいは“衰退期”にさしかかっている昨今、この“営業力”を課題として捉える企業が増えてきたように思います。ところが一方で、突っ込んだ(「営業力が弱い」とはどういうことだろうと)質問を重ねていくうちに、なかなか実態を把握しきれていないケースがほとんどだということに直面します。

 要するに、いわゆる“見える化”ができていないのです。しかしながら、これはある意味、致し方ない部分があります。長い間(というか現在も)、営業という部門は、基本的に売上目標を達成することだけ求められており、結果さえ出せば細かいところまで気にする必要がない、というのが実態だったからです。

 つまり、「営業力が弱い」という話の前提は、「(思ったほど)売れていない」という“結果”に対するイメージでしかなく、だからこそ追求してみたところで、明確な原因に辿り着きません。

 これは以前、サッカー日本代表の課題のなかで取り上げた「決定力が弱い」という話と同じ構造になっているような気がします。

“決定力不足”の日本代表はなぜ予選突破できたか
真の戦略的課題には明確な優先順位がある

 昨年のサッカーワールドカップ南アフリカ大会直前、調子の出ない日本代表に対して、マスコミの多くは「決定力不足が課題」だと報じていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

 この報道を見ながら、以前、「サッカー日本代表に学ぶ「強い組織づくり」の極意」という記事の中で、主に2つの論点を取り上げました。

 ひとつは、“市場”の視点で、アジア予選と本大会では日本のポジショニングも大きく異なる(アジアにおける日本は強豪国だが世界における日本は弱小国)のは明らかであり、アジア予選でも度々取り上げられていた「守備的な対戦相手を崩し切れない=決定力不足」という課題をそのまま本大会に持ち込むのは危険なのではないかということ。

 もうひとつは“時間軸”の視点で、「決定力を向上しなければならない」と挙げるのはいいのですが、果たしてあの短期間(1~2ヵ月)に解決するのが可能なのかという疑問です。つまり、中期的な課題として取り組むべきこととしては間違いないと思うのですが、本大会までの短期間に改善できる可能性が高いのは「対戦相手に得点を与えないこと」ではないか、という話です。

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川原慎也 [船井総合研究所 東京経営支援本部]


1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業種業態を問わずに戦略実行コンサルティングを展開するという同社では異色の経験を持つ。「視点を変えて、行動を変える」をコンセプトに、戦略策定段階では「お客さまとの約束は何か」→「約束を果たすためにやるべき仕事は何か」を考え抜こう、計画策定段階では「計画が頓挫する可能性の対処策」を考え抜こう、実行段階では「勝たなきゃ組織一体化しない」から“勝ち”を積み重ねる階段を考え抜こう、と経験に裏打ちされた“視点”への刺激が散りばめられ、組織を動かす原動力へと変えていく。
最新著に『絶対に断れない営業提案』(中経出版)がある。

【関連サイト】『経営参謀の視点』※毎週月曜日更新 

 


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不透明な経済状況が続き、半年先の景気を読むことさえ難しい日本経済。この連載では、様々な業界やテーマで活躍する船井総研の専門コンサルタントが、業界別に分析し、半年先の景況感を予測していきます。

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