交通安全員と子ども写真はイメージです Photo:PIXTA

長年、海外投資家向けの情報発信や日系企業のプレゼンテーション支援を行ってきた竹内明日香氏。彼女は国際社会に身を置くなかで、日本人の「イイタイコトを言う力(話す力)」の欠如を痛感したという。以来、「話す力」を子どもの時から培う必要性を感じ、子ども向けの対話型アプリの開発や学校での出前授業などさまざまな活動を展開している。幼い頃から身につけたい「話す力」の大切さについて、著者が解説する。※本稿は、竹内明日香氏『話す力で未来をつくる~プレゼンアドバイザーが伝える 子どもの思考力 判断力 表現力を伸ばすチャレンジ~』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。

エレベーターやコンビニ…
「話す力」を養う機会とは

「話す力」を育む機会は、私たちの日常生活の中にたくさんあります。

 例えば、マンションにお住まいのご家庭なら、同じエレベーターに乗り合わせた方とあいさつを交わすのも良いチャンスです。海外では、エレベーターに乗り合わせた人同士が、笑顔で一声かけ合うことが、1つの文化のように定着している国もありますが、それには単にマナーという観点だけでなく、閉鎖空間に居合わせた知らない者同士が相互に「私はあなたに悪いことはしませんよ」という意思表示をすることで、安心して過ごせるようにする意味合いもあります。

 買い物も、人との交流が生まれる場です。最近では、人手不足の解消や、感染症対策などを背景に、コンビニやスーパーマーケットでも無人レジが見られるようになってきました。

 その一方で、地域社会で人との交流の機会が失われることを危惧する声もあります。オランダのスーパーのレジでは、あえて店員さんとおしゃべりをするための専用レーンを設けているところもあるそうです。デジタル技術の進歩で、無人化が進んでいく時代だからこそ、人と対話・交流する機会が、より重要になってきているようにも思います。