「コミュニケーション能力」は、現代の日本で重要視されているスキルのひとつ。ビジネスにおいても恋愛においても、「コミュニケーションスキルを身につけたい」と言う人は少なくない。
そうしたなかで、新卒学生を採用する企業も同様に、「コミュニケーション能力」を最重要視しているようだ。日本経済団体連合会が9月28日に発表した調査結果によれば、「選考時に重視する要素」の第1位は8年連続で「コミュニケーション能力」。この結果を逆読みすると、「採用側は新卒者のコミュニケーション能力を不安視している」とも取れる。では、ビジネスシーンで新卒者に求められるコミュニケーションとはどのようなものなのだろうか。
調査は同会企業会員のうち、1274社を対象に実施し、545社から回答を得た(無記名式アンケート)。調査期間は2011年7~8月。同調査は1997年から毎年行っている。
約8割が「コミュニケーション能力」を重視
「主体性」と「協調性」ある若者を求める傾向に
同アンケートは、「選考にあたって特に重視した点」として、「コミュニケーション能力」「主体性」「協調性」「チャレンジ精神」「誠実性」「責任感」など25項目の中から重視する5つを選ぶもの。「コミュニケーション能力」を選んだ企業は80.2%と大多数に上り、2001年~2011年の10年間では2003年以外、1位となっている(2003年は「チャレンジ精神」が1位)。「コミュニケーション能力」を重視する企業が徐々に右上がりになっているのも特徴だ。
ここで気になるのは3位の「協調性」(55.0)。「協調性」も大きく捉えれば「コミュニケーション能力」のひとつと言えるだろうが、「コミュニケーション能力」全般となると、「協調性」に比べてアクティブに情報を発信していく要素も含まれるイメージがある。となると、2位の「主体性」(62.1%)と「協調性」の両方の意味合いを兼ねるのが「コミュニケーション能力」と言えるかもしれない。