振替加算だけで約600億円!
年金支給漏れの背景とは?

 先週、9月13日、厚生労働省は10万6000人に対し約598億円公的年金の支給漏れがあったと発表した。情報システムの不備や事務処理ミスが原因で、公務員だった人の妻を中心に「振替加算」という制度で発生したという。同じ仕組みの年金未払い額としては過去最大規模となる。

 多くの人が「支給漏れ、またか」と不信感を募らせていることだろう。あるいは「公務員だった人関連なら、自分には関係ない」と思う人もいるかもしれないが、“多くは”元公務員の妻というだけで、元会社員の妻も支給漏れに遭っているので他人事で済ませてはいけない。

 新聞各紙、厚生労働省の説明資料に一通り目を通してみると、システムの不備と情報データの連携不足が主要因であることは間違いない。年金機構や共済組合のコンピューターシステムが現行のままだとすると、支給漏れは今後も起こりうると危機感を持った。

 読者のみなさんが、将来年金の支給漏れに遭わないためには、どう自衛するといいのかを考えてみたい。

 その前に、まず今回の支給漏れの背景と要因について解説しよう。キーワードは「加給年金」、「振替加算」、「妻が65歳になったとき」の3つである。厚生年金・共済年金の年金には「20年加入して一人前」という考え方がある。勤め人として20年以上の加入期間があると、年金制度で各種特典があると覚えておこう。

 図を使ってケースで見てみる。前提条件は「夫は、厚生年金か共済年金に20年以上加入した、(年金制度的に)“一人前”の人、妻は専業主婦の期間が長く、勤め人を20年したことがない“一人前ではない”人」の組み合わせだ。妻は夫の3つ年下とする。