7期連続の増収増益に加え、今年発売された日本初のシワ改善薬用化粧品が絶好調のポーラ・オルビスホールディングス(HD)。さらなる躍進には、長年の課題である海外事業の成長が欠かせない。(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)

「日本で唯一シワを改善する薬用化粧品」として1月から売り出した美容液「リンクルショット メディカル セラム」(医薬部外品)が大フィーバー中のポーラ・オルビスホールディングス(HD)。1個20グラム入りで税込み1万6200円の高級品であるにもかかわらず、発売からわずか1カ月で約25万個を売り上げた。

「日本で唯一」の看板は6月21日、資生堂が同じくシワ改善をうたった美容クリーム「エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームS」(医薬部外品、税込み6264円)を発売したことで外れたが、リンクルショットは上期トータルで約62万個と、会社側の想定を超えて売れ続けている(図(4))。

 開発スタートから厚生労働省の承認まで15年をかけたリンクルショットには、競合他社幹部も「間違いなく大成功」と賛辞を贈る。

 リンクルショットがけん引し、2017年12月期の予想売上高および利益は、第1四半期決算、第2四半期決算と2回続けて上方修正された。通期で売上高2360億円、営業利益365億円、純利益238億円と、いずれも過去最高を更新する見込みだ(図(1))。