来年のNHK大河ドラマは「西郷(せご)どん」。維新の英傑・西郷隆盛の波乱万丈な人生を描いた一代記だ。西郷隆盛が再び世の注目を浴びる中、このたび隆盛の曾孫にあたる西郷隆文氏が、著書『西郷隆盛 十の「訓(おし)え」』を出版した。西郷家に伝わる言葉や逸話を基に明かされる西郷どんの生き様は、現代で戦うビジネスパーソンにも通じる人生訓だ。同書の一部抜粋から、西郷隆盛の「ぶれない生き方」の一端に触れてみたい。

西郷の「ぶれない生き方」を
伝える十の「訓え」とは

西郷隆盛の「ぶれない生き方」を十の訓えで学ぶ西郷隆盛の長男・菊次郎の孫にあたる西郷隆文氏

 明治十年、曾祖父・西郷隆盛は、満49歳で生涯を終えました。

 今なお多くの方々に「西郷さん」と親しまれていますが、書物も写真も残していないため、人物像はどこか謎に満ちています。

 何を感じ、思い、動いていたのか。その「ぶれない生き方」はどこから生まれたのか──。

 西郷家に語り継がれている言葉や逸話などから、考え方、行動、判断基準……は、十の「訓え」に集約されます。

 幕末から明治にかけてのあの頃のように、大きく動き出している今の時代、西郷さんからのメッセージは、何かを伝えているように思えるのです。

西郷隆盛 十の「訓え」

一 迷ったときは、「損得」でなく「善悪」で判断せよ

二 「正道」を行ない、それを楽しめ

三 「分をわきまえる」ほど、強くなる

四 「勇気」だけは、誰にも負けてはならない

五 理不尽は理不尽のままでよい。自分が理不尽なことをせねばよい