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酸化ストレスで脳が疲弊
慢性疲労に抗酸化物質
イミダゾールジペプチド

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第64回】

 暑く寝苦しい夜が続く節電日本。慢性的な疲れに拍車がかかる。微熱やのどの痛み、原因不明の筋力低下などを伴う病的な疲労が6ヵ月以上続く「慢性疲労症候群」はひと頃より話題に上らなくなったが、それだけ現代人には「当たり前」の状態になっているのかもしれない。ある調査によると、成人の4割近くが半年以上続く慢性疲労に悩まされているという。

 ヒトはなぜ「疲れ」るのか。乳酸の蓄積によるもの、という説は大間違い。今では、乳酸はむしろ筋肉疲労を抑え、脳神経活動のエネルギー源となることがわかっている。つまりは「疲労回復物質」なのである。冤罪の乳酸に代わり、疲労の真犯人と見なされているのは「活性酸素」だ。

 ヒトは呼吸し酸素を炭酸ガスに変える経路で、食事由来の糖からエネルギーを生み出している。その過程で毒性の強い活性酸素が産生されるのだが、普通は抗酸化システムが速やかに始末するので問題にはならない。ところが、身体活動や脳の酷使が過ぎると大量の活性酸素を処理し切れなくなり、細胞や神経細胞がキズつく。その結果、エネルギー代謝や中枢神経系に異常が生じる。さらに細胞の損傷が引き金となり、脳に疲労を伝える「TGFβ」という物質が増加。気分や判断力に関係する神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの代謝に異常が生じ、脳が「疲れた」と感じるのではないか、と推測されている。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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