メンバー集めにひと苦労…
プロながら草スポーツ並みの窮状
草野球、草サッカーなどをやっていると、メンバー集めでひと苦労する。試合を組んでも、仕事や家庭の都合でメンバーが揃わないことがあるからだ。体力を消耗しない野球なら9人でもなんとかなるが、サッカーで11人ギリギリだった場合はつらい。どんなにバテても交代するわけにはいかず、試合終了までプレーを続けなければならない。好きでやっていることとはいえ、日頃トレーニングをしていない週末プレーヤーにとっては、かなりの苦行だ。
日本のトップリーグにも同様の状況に置かれているチームがある。9月30日に開幕した女子バスケットボール日本リーグ「Wリーグ」に所属する『新潟アルビレックスBBラビッツ』(以下ラビッツ)だ。
「Wリーグ」の1チームあたりの登録選手数は12~16人。バスケットボールは5人制だから、ベンチには10人前後の控え選手がいて、プレーしている選手の疲労度や状況に応じて交代選手を投入するわけだ。ところがラビッツは所属選手が8人。しかも現在、ひとりが腰の故障でほとんどプレーができず、実質7人でリーグ戦に臨んでいるのだ。これは相当のハンデである。
ラビッツは昨季まで「JALラビッツ」としてWリーグに参戦していた。母体企業は日本航空で同社の女性社員の他、CA(客室乗務員)もプレーしていることで話題になったチームだ。1999年から始まったWリーグでは優勝こそないものの準優勝が3回、04年度の全日本総合選手権では優勝している強豪だった。
しかし、日本航空が経営破綻し、昨年1月に会社更生法を申請。再建のため大幅なリストラを断行し、その一環として女子バスケットボール部も廃部となった。これを機に引退を決断する選手も少なくなかったが、中には現役続行を希望する選手もいた。