競合関係のビール大手4社が北海道で共同配送を始めたように、日本企業の革新性は、商品の価格上昇よりもコスト削減の面で発揮されるケースが多いように見受けられる

 BS-TBSの経済報道番組「Biz Street」にコメンテーターとして時々出演させてもらっているが、9月16日の番組で興味深い話題が取り上げられていた。週休3日制の企業が増加しているという特集である。

 この制度は次の三つに大別することができるという。

(1)労働時間を週5日×8時間から週4日×10時間に変更する方式

(2)労働時間が20%減るのに応じて給与も20%減る方式

(3)労働時間が減っても給与は変わらない方式

 (1)は、(残業は別にして)正規の週間労働時間や給与は不変だ。休日の増加を喜ぶ社員もいるだろうが、「帰宅時間が遅くなるのは困る」と感じる社員が現れる可能性もある。労働者にとっては一長一短だが、経営者にとっては工場ラインの稼働時間を集約したり、新卒・中途採用の際に「わが社は週休3日制です」とアピールしたりすることができる。

 (2)は、給与は減るものの、育児や介護などで出勤日を減らしたい社員にとってはメリットがある。企業としては働き方の多様性を大切にしている姿勢を人材採用時にアピールすることができる。

 (3)は、当然ながら労働者にとって最も理想的といえる。ただし、生産性の向上に経営者が自信を抱けないと踏み切りにくいため、導入例はそう多くないだろう。しかし、人材確保に悩んでいる企業が、他社との差別化を図る必要性に迫られている場合は導入するケースがあるようだ。

 つまり、(1)~(3)の週休3日制は、いずれも企業イメージを高めることによる人材獲得を狙っている。人手不足が深刻化しているならば、その最もストレートな対策は給与の引き上げだろう。しかし、現在の経営者たちは、給与を極力抑制しながら人材を確保する方策について、必死に知恵を絞っている。人材採用のコスト上昇を商品の販売価格に転嫁することが難しい状況が続いているからである。