街に点在する空き家をホテルとして運営している大阪の「SEKAI HOTEL」。フロントは居酒屋の店舗を改装した建物だ

 ここ数年、外国人観光客が増えている大阪。ホテルの稼働率は84.1%で、2位の東京(79.4%)を抜いて日本一になっている(2016年観光庁統計)。

 この夏には、ヒルトンの高級ブランド、コンラッド大阪が誕生し、星野リゾートが大阪への進出を発表した。伝統ある寺院にホテルが進出したり、ベイエリアにある高層ビルを丸ごとホテルに改装する計画も進んでいる。2020年までに30軒近いホテルが開業を予定しており、まさにホテル建設ラッシュに沸いている状態だ。

 そんな大阪で、この6月にちょっと風変わりなホテルが誕生した。場所は大阪市の西部、此花区の西九条。JR大阪駅から電車で6分、人気のテーマパーク・ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)のあるユニバーサルシティ駅から電車5分というアクセスの良さで、駅を利用する観光客は多い。

 オープンしたのは、SEKAI HOTEL(セカイホテル)というユニークな名前のホテルだ。造りも斬新で、空き家をリノベーションして客室にしている。普通のホテルのように、ひとつの建物にフロントや客室が集まっているのではなく、町そのものを利用した宿泊施設なのだ。

 フロントは、居酒屋の店舗を改装した建物。客室は近隣の一軒家。食事は商店街の飲食店、風呂は近所の銭湯といった具合に、町そのものを楽しむコンセプトである(客室にはバストイレ完備)。

 さっそく客室に案内してもらった。西九条は昔ながらの商店が立ち並ぶ、古きよき下町といった趣である。住宅地の中に細い路地が何本もあり、一軒家が並んでいる。どれも外観は古いものの、一歩中へ入ると、きれいに改装されている。リビングルームには洒落たソファやテーブルが置かれ、キッチンには調理器具が完備。ベッドルームも清潔で申し分ない。洗濯機もあるので長期滞在にも便利だ。部屋は広々としているので、家族連れや友だち同士で泊まるのに最適だと感じた。現在、町内の4ヵ所に客室が点在しており、これからさらに増やしていく予定だという。