この本が売れなかったら
これまでの編集者としての自分のやり方を崩さないといけない

――書名はどの段階で?

飯沼 書名も目次構成を練っている段階で、パっと僕のところに降りてきました。著者の伊藤さんの凄いところはなんだろうとずっと考えていました。27歳で年収1000万円というのは只者ではない。ならば「1000万円」は入れたいと。そこで、「バカでも年収1000万円」というタイトルがすっと降りてきて、「来た!」と思いました。降りた瞬間に「これは売れる!」と思いました。

―― 一方で、ストレートすぎるのではという心配は?

飯沼 それはありました。「読者が書店のレジに持って行きにくいのではないか?」という心配をしました。「バカの壁」だったら他人のことじゃないですか?でもこの『バカでも年収1000万円』というタイトルだと、バカは自分のことなので、どうかな…と思ったんです。

 あと「バカ」という言葉がついた本が一連の『バカの壁』シリーズ以降、出ていなかったんです。そうなるとこの「バカというワード」も新鮮さがあるので、その心配を打ち破って売れるかなと思いました。だから、書名を決めた後で、書名に「バカ」という言葉がついた本が他社から出てベストセラーにならないでくれ~、と祈っていました(笑)。それが最大の不安でした。お願いだから、「バカ本」のベストセラーが出ないでくれ、という心境です。だって、先に出されたら、なんかマネしたみたいじゃないですか。

 幸いにも、「バカ」がタイトルについた本で、売れる本が出なかったうえに、この本が売れたので、「バカの本といえばコレ!」という認知が読者の間で広がることになりました。

――大胆な書名をつけて、三振かホームランか?

飯沼 その可能性もありますが、僕の中では、結構、「ライナーでホームランになるんじゃないか!」(笑)、と妙な自信がありました。刊行の1週間前にあるサイトのインタビューを受けたのですが、そこで「この本が10万部いかなかったら、自分の編集者人生を見直して、いまの自分のベストセラーの法則を、根本から構築し直さないとならない」と言ってましたから。そのくらい自信と確信がありましたね。

『バカでも年収1000万円』(前編)<br />著者と出会ったその日に本を出そうと決めました。1年後には図解本も刊行。早速重版もかかり、シリーズ累計16万部を突破した。

*大胆な書名を決めるほど不安も大きくなるのが編集者というもの。この本にはその不安を払しょくさせるほどの考え抜いたようです。次回はデザインの話から出版後の話を伺います。


【書籍のご案内】
『【図解】バカでも年収1000万円』

『バカでも年収1000万円』(前編)<br />著者と出会ったその日に本を出そうと決めました。

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