12年から14年にかけては、消費支出は増加した。

 しかし、15年から再び減少した。16年を12年と比べると、28万6169円 から28万2188円へと減少している。

 家計調査の各項目の金額には、消費税が含まれている。この間に消費税の増税があったので、消費税分を除いた消費額は、上で見たよりもっと減ったことになる。

 16年から12年にかけて、世帯人員は3.07人から2.99人へと減っている。だから、1人当たりで見れば1.2%増えたことになる。しかし、消費税抜きで見れば、減少だ。

 なお、GDP統計で見ると、名目家計最終消費は、12年度から16年度にかけて増加している。ただし、増加率は3.3%にすぎない。消費税増税の影響を除けば、ほとんど増加していないことになる。

 以上から結論できるのは、「アベノミクスは、働く人の生活を豊かにしてはいない」ということだ。

主婦がパートで働きに出るが
消費は伸びず

 図表2に示すように、名目賃金指数は、長期的に下落傾向にある。アベノミクスは、この傾向を逆転できただろうか?

 年平均の指数は、2013年をボトムとして、その後は上昇している。しかし、上昇率はごくわずかだ。16年の指数100.6は、11年の100.8に及ばない。

 そして、円安などによって消費者物価が上昇したため、労働者の実質賃金は減少した(実質賃金指数は、13年3月の91.8から17年3月の88.9まで低下した)。

 家計調査で、12年と16年を比較すると、1世帯当たりの有業人員(働く人の数)は、1.33人から1.34人に増えた。収入が増えないため、主婦がパートで働きに出るようになったのだ。実際、世帯主の配偶者のうち女性の有業率は、34.1%から36.7%に上昇している。