このことは、雇用統計で非正規労働者が増えたことを見ても確かめられる。家計の側のこうした努力にもかかわらず、上で見たように、消費が減少しているのだ。

「金融資産ゼロ世帯」と
富裕層世帯が増えている

「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)」によると、金融資産を保有していない世帯の比率は、2003年以降12年までは20%台だった(12年では26.0%)。

 ところが、図表3のように13年にこの比率が31.0%となり、それ以降16年まで30%台の数字が続いている。

 資産保有について、貧しい世帯の比率が上昇しているのである。アベノミクスの成果が働く人に及んでいないのは明らかだ。

 他方で、金融資産保有額3000万円以上の世帯が金融資産保有世帯に占める比率は、増えている。この比率は、12年には13.6%であったが、13年に14.2%に上昇した。その後、14年に15.6%、15年に15.4%、16年に14.8%となっている。つまり、富裕層の比率も上昇しているのだ。

豊かな人はますます豊かになり
二極化が進んだ

 高額資産保有者が増えたのは、株価が上昇したためだ。株式や株式投資信託の保有者は、労せずして利益を得たことになる。

 実際の数字は、家計調査報告(貯蓄・負債編、2016年平均結果速報、二人以上の世帯)で見られる。それによると、株式・株式投資信託は、2012年から16年の間に、56.3%も増加した。

 他方、これ以外の資産は、同期間で5.9%増加したにすぎない。