「株は5月に売り9月に買え」は本当か、行動ファイナンスで考えた

理論的な根拠はないが
実際に起きやすい「アノマリー」

 株式市場には、はっきりとした理論的な根拠を持つわけではないにもかかわらず、実際に起きやすい現象がある。これは「アノマリー」と呼ばれ、例えば以下のようなことが経験則的に言われている。

(1)月曜日の株高(月曜日は相場が高いことが多い)
(2)節分天井・彼岸底(2月初めに高値を付けて下落し、3月末には底値を打つ)
(3)小型株効果(資本金の小さい株は、市場平均より高い収益率をもたらすことが多い)

 これらは、明確な理由があるとは言い難いものが多いのだが、全く根拠がないというわけでもない。

 例えば「彼岸底」といって、3月下旬に株が下がることが多いのは、日本企業は3月期決算が多く、年度末を控えて株の保有残高を減らすために売りが増えるのが原因と言われている。

 また、小型株というのは、創業からさほど年月が経っていない企業が多いにもかかわらず、上場を果たしているということは成長力の高さが見込まれるため、平均以上に収益率が高くなるという傾向から、というのも十分うなずける。