MLBポストシーズンで日本人選手が、いい働きを見せている。
まずヤンキースの田中将大。アメリカン・リーグ(ア・リーグ)の地区シリーズ、対インディアンス第3戦に登板した。地区シリーズは3勝した方が勝ち抜けるが、この時点でヤンキースはすでに2敗。負ければ今季が終わってしまう追い詰められた状況での登板だった。
今季の田中はレギュラーシーズンで13勝(12敗)をあげたものの大崩れすることも多く、防御率はMLB4年間で最も悪い4.74。ホームのヤンキースタジアムに詰めかけたファンも試合前は「この大事な試合を田中で大丈夫か」といった不安げな表情をしていた。
だが、田中はその不安を一掃する快投を見せる。7回を投げて3安打無失点。4回の1死3塁のピンチでは3番、4番をキレのあるスプリットで三振を奪い、雄叫びをあげた。田中の気迫あふれる投球はチームメイトを奮い立たせ、1-0で勝利。この1勝でヤンキースは息を吹き返し、その後連勝してア・リーグ優勝決定シリーズに駒を進めた。
チームの窮地を救っただけでなく、勢いをつけたうえワールドシリーズ進出への望みをつなげた点、満員になることが確実なヤンキースのゲームを継続した点でも田中の貢献度は大きかったし、アメリカのメディアからも絶賛された。
アストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズでは第1戦に登板。この試合は6回2失点で負け投手になったが、敗れたのは味方の援護がなかったからで、先発の役割は果たした。
ジラルディ監督は第5戦(19日)での田中の先発を明言している。チームはこのシリーズでも連敗発進と厳しい状況にあるが、なんとかスイープ(4連敗)は避けて、また田中の快投が見たいものだ。
ドジャースに所属するダルビッシュ有と前田健太も見事な投球を見せている。ダルビッシュはダイヤモンドバックスとのナショナルリーグ(ナ・リーグ)地区シリーズの第3戦に先発。5回1失点の好投を見せてチームの3連勝に貢献した。ダルビッシュは第3戦(18日)での先発が予定されている。