小池新党「内部留保課税」を課税推進派の財務省さえ見放す理由

消費増税凍結の代替財源に
希望の党がぶち上げた内部留保課税

「消費税増税凍結の代替財源として、約300兆円もの大企業の内部留保の課税を検討する」──。

 小池百合子東京都知事率いる「希望の党」が掲げたこの公約が今、有識者などから集中砲火を浴びている。

 批判される理由はただ一つ。代替財源にはなり得ないからだ。

 企業の内部留保とは、事業で得た利益から法人税などの税金や株主への配当などを支払った後に残ったお金のこと。企業の財務諸表には「利益剰余金」などとして計上されており、財務省の統計によると2016年度時点で406兆円(金融・保険業を除く)にのぼっている。

 名前からして、企業の中に巨額の現金が眠っているようにも見えるが、そうではない。現金ではなく、固定資産として建物などに姿が変わっているケースも多いからだ。

 企業会計の初歩的な話であり、それを理解していれば内部留保に課税するということが「二重課税」の問題を招くなど、税金の仕組み上、いかに難しいかはすぐに分かったはずだ。