『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

親子関係よりも兄弟関係が性格に影響する

性格形成に影響するのは「親子関係」より「◯◯関係」

 例えば、長男は勉強が得意でまじめな優等生。次男はスポーツが得意で活発。末っ子の次男は読書やゲームが好きな内向的な性格。このように兄弟間でそれぞれ違った得意分野や性格を持つことはよくあることです。そうなるのには明確な理由があるからです。

 アドラーは家族関係、特に兄弟姉妹(以下きょうだいと表記)関係がライフスタイル(=性格)形成に大きな影響を与えると考えました。

 最初に生まれた第一子は親の愛を独占して育ちます。しかし、第二子が生まれると、突如として独占状態を失い、親の愛を下の子供に奪われてしまいます。そこからきょうだい間での「親の愛」を巡る奪い合いが始まります。第一子、中間子、末子それぞれが、それぞれの得意分野でアピールし、親の愛と関心を奪い合うのです。

 しかし、それぞれは相手が得意な分野(例えば勉強やスポーツなど)にはあえて参入しようとしません。そうではなく、独自な新しいジャンル(例えば芸術など)できょうだいに対する優越を示し、親に認めてもらおうと考えるのです。

 このように、子供のライフスタイル形成は、親子関係以上にきょうだい関係が大きく影響するとアドラー心理学では考えます。そのため、家族布置と呼ばれる家系図や家族間の人間関係、さらには家族の雰囲気や家族で共有された価値などを調べることで本人の内面を分析していくのです。

性格形成に影響するのは「親子関係」より「◯◯関係」アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。