在庫は最大90%オフの社員割引きで一斉処分。バブル入社組を破格の退職金で追い出し、郊外店や高級食品スーパーの株式も手放すなど、杉江俊彦社長率いる三越伊勢丹ホールディングスはなりふり構わずリストラに走るが、将来の百貨店像は見えない。(週刊ダイヤモンド編集部 岡田 悟)
「〈アルマーニ〉ビジネススーツ 3万2400円から」――。9月29、30の2日間、新宿NSビルで開かれた三越伊勢丹グループの「スーパーファミリーセール」は、例年最大50%程度の割引幅が、なんと今年は90%引きの超特価。
案内の文書によると、他にも婦人用ハンドバッグが5400円から、ロシア産グースダウンを使った羽毛布団が3万2400円からと、破格の大盤振る舞いだ。
名称の通り、社員とその家族しか参加できないのだが、「定価で売る販売員、定価で買ってくれた客には、なんともばかばかしいことだ」と、ある三越伊勢丹ホールディングス(HD)関係者は呆れる。