安倍晋三首相は、消費税増税分の一部を歳出に回すと言っている。財政破綻を避けるためには増税分を赤字削減に使うべきだとする論者も多いが、久留米大学の塚崎公義教授は「財政は破綻しない」と論じる。

 10月22日に投開票が行われた衆議院選挙で、消費税増税派の与党が圧勝した。とはいえ、安倍首相は、増税分の一部を少子化対策などの歳出により多く回すとしており、巨額の財政赤字と債務残高を懸念し、早急に緊縮財政を進めないと財政が破綻しかねない、と考えている人も多い。

 しかし筆者は、財政は破綻しないと考えている。前回の拙稿「消費増税分を歳出に回しても日本の財政が破綻しない理由」では、投資家の行動を考えれば政府が資金調達に困ることはなく、財政は破綻しないと述べた。

 今回は、少し観点を変えて、政府の視点から財政が破綻する可能性が極めて小さいことを示そう。

外貨建てであれば
対外債務は危険だが

 もしも日本が経常収支赤字国で、政府が外国から借金としてドルを借りているのだとしたら、大変に危険である。

 海外の債権者としては、日本政府がドル建て債務を返済できるのか否か不安を感じているので、債務残高が増加するにつれて「もう貸さない。返してほしい」と言ってくる可能性が増すからだ。