あなたの周りに、仕事ができなさそうに見える上司・同僚・部下はいませんか?そのような人たちに対して、あなたは腹を立てているかもしれません。でも、本当に彼らをきちんと理解できているでしょうか?
実はそんな『トンデモ社員』こそ、会社を救う存在かもしれないのです。
中堅製造業のX社は中途入社した社員が多い会社です。A氏は大学卒業後、メーカーに3年間勤務した後、このX社に第二新卒で営業職に応募してきました。
面接に備え、A氏は対策をしていました。A氏は面接官の質問に対して流暢にはっきりとした口調で応え、提出された問題への回答もバッチリだったのです。結果、A氏は頭の回転が速い、コミュニケーション能力も高い、将来有望な人材であるという高評価で採用となり、第二営業課に配属されることになりました。
入社初日から、A氏は始業時間の15分前には出勤してしっかりと準備。挨拶もきちんとして、いかにも仕事ができそうなエリート社員の雰囲気を醸し出していました。ところがいざ仕事を任せてみると、A氏の評価は一転してしまったのです。
優秀そうに見えた
中途社員の本性とは?
A氏が所属する第二営業課では、担当者それぞれが営業先を持っており、顧客からの要望に応える形で、他の課と連携しながら見積書の作成から受注・納品までを行っています。そのコントロールや調整は、営業課長が中心となって進めていくのですが、A氏が入った後からトラブルが頻発するようになりました。
当初、A氏が課長と同行営業をしていた時は、課長が第二営業課全体を把握していたのでよかったのですが、A氏がいざ1人で行動するようになると、課長の元に他の課からのクレームが入るようになったのです。問題は、すべてA氏の営業先で起こっていました。