受験サプリでは、リクルートが提供する「到達度テスト」を受けることによって、これまでの学びのどの箇所でつまずいているかが、個人別に明らかになる。単に模擬試験の点数が何点かという結果ではなく、一人ひとりの強み・弱みが把握でき、各人ごとにカスタマイズされた苦手克服プランが作成できる。

 また、リクルートに蓄積されたビッグデータとAI技術を組み合わせることで、学習過程のある箇所でつまずいた生徒が、後の学年に習うどの部分でつまずきやすいかという「つまずき予測」も可能になった。本人も気づいていない問題を事前に指摘することで学習意欲が維持され、解けなさそうな問題が前もってわかれば、教師もそこに十分な時間をかけられる。

 逆に、授業が物足りない層や、偏差値の高い受験校では、受験サプリによって、先取り学習が可能になった。

 このように受験サプリは、生徒を助けるだけでなく、教師の教え方にも変化をもたらした。

 学校で教えなくてはならない内容は、教科書が検定教科書であることから、全国で標準化されているが、これはサプリを使うことで、より効率的・個別的対応ができる。そこで浮いた時間を、反転学習やメンタリング、コーチングなどに割くことができる。こうして教師の仕事を見直す契機ともなった受験サプリは、2016年には全国5000校の高校のうち、900校が採用するようになった。

 総務省は2020年までに全国すべての小中高校に無線LANを導入する方針であるが、2016年3月現在、普通教室についてはいまだ25.9%にとどまっており、サプリのさらなる普及にはこれがネックになっている。

競合はベネッセや学研、
公文とは共存の道を模索

 2015年には、小中学生用に「勉強サプリ」を始めたが、「勉強」というネーミングが「やらされている感」を与えてしまうことから、2016年からはすべての教材を「スタディサプリ」に改称した。

 スタディサプリの競合企業は、塾や予備校だけではなくベネッセも挙げられる。ベネッセは紙媒体の通信教育がビジネスモデルのルーツであったが、現在は紙に加えてタブレットやスマートフォンを活用した商品となっている。