ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

中央区――かの後藤新平も予測できなかった高層マンションの「震災リスク」

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所
【第17回】 2011年11月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

後藤新平も予測できなかった
高層マンションの「震災リスク」

 中央区を南北に縦断する昭和通り。昭和の始め、関東大震災からの「復興のシンボル」として整備されたものだ。昭和通りだけではない。道路率1位を誇る中央区の道路の骨格は、ほぼこのときでき上がる。まさに、「都市計画100年の大計」と呼ぶにふさわしい。

 この復興計画をプロデュースしたのは、後藤新平。だが、「大風呂敷」と揶揄された後藤にも想像できなかった震災リスクが、今中央区を悩ませている。

 人口増加を重点施策に掲げる中央区。区の努力の甲斐あって、人口は過去10年間で1.7倍に増加した。住まいの受け皿を一手に引き受けるのは、マンション。なかでも高層マンションだ。

 集合住宅に住む世帯の割合は86%。うち7割(全世帯の6割)を、11階建て以上の高層住宅居住者が占める。その結果として、全区民の2割以上が11階以上の高層階に暮らしている。ちなみに、ここまでに出てきた数値は、すべて東京一である。

 高層マンションは、建物自体は優れた耐震性を持つ。家具の転倒には厳重注意が必要だが、転倒防止器具等を取り付ければ、被害は大きく軽減できる。しかし、停電でエレベーターが止まったら、途端に生活困難に陥ってしまう。

 区は、『揺れる高層住宅! その時あなたは…』と題したパンフレットとDVDを用意すると共に、今年1月には高層住宅向けの『震災時活動マニュアル策定の手引き』を作成し、マンションの管理組合や自治会に配布した。全116ページに及ぶ『マニュアル策定の手引き』は、高層住宅の防災対策を懇切丁寧に紹介した力作である。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力

東日本大震災を機に、自分が住む地域の安全性を気にする人が急増している。世間一般に「安全」と言われている街でも、そうとは限らない場合があるし、「リスクが高い」と言われていても、本当は災害への耐久力が強い街もある。実際のところ、あなたが住む街の安心・安全度はどうなっているのか。この連載では、地震、犯罪、火事、交通事故といった現代社会の4大災難を中心に、東京23区の「防災力」をあらゆる角度から分析する。豊富なデータを基に、「安心・安全な街」の条件を考えてみよう。

「東京23区「安心・安全な街」~あなたが住む地域の真のリスクと防災力」

⇒バックナンバー一覧