
デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は積水ハウス、大和ハウス工業、積水化学工業の「住宅メーカー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
大和ハウス、積水化学は過去最高
積水ハウスは減益
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の住宅メーカー業界3社。対象期間は、1月期決算の積水ハウスは2025年2~4月期(26年1月期第1四半期)、3月期決算の大和ハウス工業と積水化学工業は25年1~3月期の第4四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・積水ハウス
増収率:15.1%(四半期の売上高8940億円)
・大和ハウス工業
増収率:2.6%(四半期の売上高1兆4845億円)
・積水化学工業
増収率:2.9%(四半期の売上高3424億円)
住宅メーカー3社の四半期増収率は、積水ハウスが前期比15.1%増で2ケタ増収を果たし、売上高は過去最高だった。ただし、営業利益に関しては前期比で減益となっている。
大和ハウス工業は四半期増収率が同2.6%にとどまったが、25年3月期通期決算では売上高、利益とも過去最高を更新した。積水化学工業も同様に、過去最高の収益を更新した。
大和ハウス工業と積水化学工業の勢いはこのまま続くのか。一方で、積水ハウスが減益となった要因は何か。次ページ以降で詳しく解説する。